東京大学 海洋アライアンス 日本財団

Achievements総合海洋基盤(日本財団)プログラム

将来の海洋国家日本を支える人材を育成し、現代の社会が直面する海洋に関連した課題を解決するため、日本財団の助成のもと、「総合海洋基盤(日本財団)プログラム」の中に多様な研究プロジェクトが立ち上げられました。そのうちの2つは、今日も日本財団FSI基金助成事業の一環として展開されています。

日本財団FSI基金として継続

国際的な海洋人材の育成とネットワークの構築

マグロやウナギなど海に関係する食の資源。希少金属などの海底資源。これら限りある資源の消費や開発をめぐり、国際的な第一線の舞台で世界を相手に交渉できる優れた人材がいま求められています。そのためには、海洋に関する高度な知識に加え、国際交渉に必要なスキルとネットワークをもつ人材を育てる必要があります。

この研究プロジェクトでは、海洋アライアンスの分野横断的な大学院教育プログラムである「海洋学際教育プログラム」の履修生から選抜した学生を、2〜3か月間、国際的な行政機関や研究機関に派遣します。世界の舞台で実務を体験するだけでなく、いまの日本に求められる課題を発見し、解決に導く方策を探求する現場即応型の研究をおこなうことが目的です。

この研究成果をつぎの海外派遣にフィードバックし、海にかかわる優れた人材の育成に役立つ、より充実したインターンシップ制度の確立を目指します。

国際機関との連携と学生派遣

海外インターンシップは14の国際機関・研究機関と直接連携を取り、学生を派遣しています。インターンシップの実施にあたっては、テーマや内容を事前に派遣先機関と協議した上で学生の募集・選抜が行われます。

下の図は2014〜2018年度に学生派遣を行った機関を地図で示しています。また表は年度別の各機関への派遣学生数です。5年間での派遣は14機関45名にのぼります。

プロジェクト長 木村 伸吾 教授 新領域創成科学研究科
主担当特任教員 山本 光夫 特任准教授 〜2019年3月
主担当特任教員 野村 英明 特任助教 〜2019年3月
メンバー 日比谷 紀之 教授 理学系研究科
メンバー 良永 知義 教授 農学生命科学研究科
メンバー 八木 信行 教授 農学生命科学研究科
メンバー 村山 英晶 教授 新領域創成科学研究科

海洋動物の防疫のためのリスク情報の社会発信(マリンバイオセキュリティプロジェクト)

海洋動物の感染症の侵入・まん延を防ぐ。

海外には、国内に侵入すると養殖や野生を問わず海洋動物を死亡させ、産業や生態系に大きな影響を与える可能性が高い多くの感染症が存在しています。また、国内にも、一部の海域にのみに分布する感染症が存在しています。これらの感染症の侵入・まん延の防止は喫緊の課題となっています。

感染症の侵入・まん延防止は法令に基づく防疫措置が重要であることは言うまでもありませんが、水産業界、水産物の流通業界、観賞魚業界、釣り人など多岐にわたる関係者が感染症侵入・蔓延のリスクとその防止の重要性を認識し、自発的に防疫措置を行うことも不可欠です。

そこで、このプロジェクトは、海外や国内に存在する感染症に関する情報を収集・整理し、それぞれの感染症のリスク評価を行うとともに、その情報を社会発信することで海洋動物における防疫を一歩でも前進させることを目的とします。

プロジェクト長 良永 知義 教授 農学生命科学研究科
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