東京大学 海洋アライアンス 日本財団

TOPICS on the Ocean

シンポジウムレポート

【国際シンポジウム】Designing the Future for Fishery Certification Schemes (2017/2/3)

International Symposium "Designing the Future for Fishery Certification Schemes"

(国際シンポジウム"持続可能な漁業認証制度の構築に向けて")

東京大学海洋アライアンスは、2017年2月3日(金)、東京大学中島董一郎記念ホールにおいて、「国際シンポジウム"持続可能な漁業認証制度の構築に向けて"」を開催しました。大学、研究機関、省庁、都道府県庁、NGO、企業、メディアなど、幅広い層から約80名の参加をいただきました。

本シンポジウムでは、水産エコラベルに代表される持続可能な漁業認証の分野において、単一の基準をもって世界の漁業を評価する"one-size-fits-all"的なアプローチとは対照的に、各々の漁業を取り巻く事情や多様性を考慮した地域発の漁業認証スキームが台頭してきているという国際的な動きにフォーカスし、その第一線で活躍されている国内外の専門家や関係者の方々から、これまでの経緯や現状及び課題、そして今後の展望についてそれぞれの立場からご発表頂きました。

セッション1では、「責任ある漁業の行動規範」やFAO水産エコラベルガイドライン等、1990年代後半から本格化した持続可能な漁業に関する国際的な基準設定に向けた動きに始まり、それらの国際基準に基づく具体的なベンチマーク(チェックリスト)を策定することで乱立する水産エコラベルに国際的なお墨付きを与えようと2013年に発足したグローバル・サステイナブル・シーフード・イニシアティブ(GSSI)やGSSIによる初の承認を受けた地域版エコラベルの先駆者でもある「アラスカの責任ある漁業管理認証プログラム(ASMI RMF)」の取組み等、水産エコラベルを取り巻く近年の国際的な潮流について当事者から話題提供を頂きました。それに続いて、日本における漁業管理の制度的な特徴や北海道におけるシロザケの放流事業及び資源管理について紹介がありました。

セッション2では、国際基準を世界各地の多種多様な漁業に適用していく上で直面している課題について、ASEAN諸国の小規模漁業や台湾での水産エコラベル導入に向けた取り組み、社会的な持続性にも配慮した一本釣り漁業への支援の事例をもとに議論がなされました。

総合討論では、いかにして水産エコラベルの信頼性を向上させ、安定的に普及・推進していけるのか、政府による公的な支援や介入、社会的な課題の考慮なども含め幅広い議論が行われ、会場からも活発な質問や意見が聞かれました。海洋アライアンスが進める学際的な研究を推進する上で、貴重な情報収集及びネットワーク構築の機会となりました。

パネリストや参加者から積極的な意見が飛び交った総合討論

パネリストや参加者から積極的な意見が飛び交った総合討論

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