東京大学 海洋アライアンス 日本財団

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シンポジウムレポート

【シンポジウム】「メガ津波から命を守るための防災の高度化研究」シンポジウム(2019/3/23)

東京大学海洋アライアンス総合基盤(日本財団)プログラムでは、津波防災を目的とする研究プロジェクト「メガ津波から命を守る防災の高度化研究」(以下、メガ津波プロジェクト)を2014年度より日本財団との共同事業(助成)として実施してきました。

今回のテーマは「次世代の地球観測・防災の高度化のための航空機の有効利用:成果と展望」です。

シンポジウムでは、メガ津波プロジェクトで得られた研究成果を元に社会に向けた提言「航空機による巨大津波の広域観測網の構築」を発表し、さらに招待講演者をお招きして、航空機を利用した津波防災の可能性について議論する一般公開シンポジウムを、2019年3月23日(土)に東京大学本郷キャンパスにある理学部1号館336号教室において開催しました。約40名の参加者があり、津波・リモートセンシング・航空工学の研究者、航空・通信電子産業、教育、報道関係者、一般市民など様々な分野の方

シンポジウムは三部構成でした。第一部では航空機による巨大津波の広域観測網の構築に関する構想を中心に、本プロジェクトの成果講演がありました。第二部では「航空機を用いた観測事例」をテーマに事例紹介があり、その後の第三部ではパネルディスカッションが行われました。会場の参加者から各々の分野の立場から多くのコメント・質問が寄せられ、航空機を用いた観測の実現にむけた諸課題に対して、対処法やこれからの進め方について活発な議論が行われました。

提言「航空機による巨大津波の広域観測網の構築」:mega-tsunami-08.pdf
報告書もご覧ください。-->mega-tsunami-09.pdf

===プログラム===

【開催趣旨】
東京大学海洋アライアンス総合海洋基盤(日本財団)プログラム「メガ津波から命を守るための防災の高度化研究」では、沖合で津波を捉える新たな手段として航空機を観測プラットフォームとして利用する方法について研究・検討を行ってきた。津波だけでなく航空機を利用した地球観測は、全世界的な航空機産業の拡大、無人航空機・ドローン技術の発達、密な地球情報へのニーズの高まりなどを契機として、これから大きな発展が期待される。そこで、本シンポジウムでは、航空機観測に係わる様々な関係者をお招きし、次世代の地球環境モニタリングや防災・災害監視のための航空機の有効利用について現状と将来の可能性について議論する。

13:00 開会挨拶

日比谷紀之(東京大学大学院理学系研究科/海洋アライアンス機構長)

【第一部】 「メガ津波から命を守るための防災の高度化研究」成果と展望

13:05 沖合での巨大津波の検知を目的とした航空機レーダー海面高度観測

広部智之(東京大学海洋アライアンス)

13:25 現実の航空機位置データに基づく津波波形インバージョン解析

丹羽淑博(東京大学海洋アライアンス)

13:45 航空機搭載小型合成開口レーダーの開発と運用

能美仁(アルウェットテクノロジー株)

14:15 社会実装に向けた展望

早稲田卓爾(東京大学大学院新領域創成科学研究科/海洋アライアンス)

【第二部】 航空機を用いた観測事例

14:50 民間航空機を利用した大気中の温室効果ガス観測プロジェクト

町田敏暢(国立環境研究所)

15:20 旅客機のレーダー衛星化によるビッグデータ事業の提案

宮下陽輔(全日本空輸株)

15:50 防災に向けた航空機搭載合成開口レーダーの有効利用

灘井章嗣(情報通信研究機構)

16:20 危険地帯等に於ける無人航空機のミッションの事例

田辺誠治(フジ・インバック株)

【第三部】総合討論

16:50 ディスカッション

早稲田卓爾(東京大学大学院新領域創成科学研究科/海洋アライアンス)

17:10 閉会挨拶

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