東京大学 海洋アライアンス 日本財団

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シンポジウムレポート

【シンポジウム】海域における鉄の存在形態と藻類への取込みに関する研究の最前線(2015/03/04)

海の緑化研究会シンポジウム

海域における鉄の存在形態と藻類への取込みに関する研究の最前線

日時: 2015年3月4日(水) 13:00~17:40

場所: 東京大学 弥生講堂 一条ホール

主催: 海の緑化研究会

協賛: 東京大学海洋アライアンス,(一社)日本プロジェクト産業協議会,海洋理工学会,(一社)全国水産技術者協会,新日鐵住金(株)

<報告>

日本各地で深刻化している磯焼けの問題に対し,海域における溶存鉄の不足に着目をした藻場再生技術におけるフィールド試験が開始されてより10年が経過した.製鋼スラグと腐植物質(堆肥)を利用した本技術は,北海道増毛町をはじめ,全国各地で実証試験・事業が実施されるに至っている.また鉄の存在形態や海藻への取込み過程の理解に向けた基礎研究が並行して行われ,これまでに多くの知見が得られている.

本シンポジウムは,これら研究の成果に関して報告を行うと共に,本テーマに関して最前線で研究を進める研究者による招待講演を行い,鉄の科学に関する理解と将来展望を議論することを目的に開催された.シンポジウムには,約120名が参加し,講演に対しての質疑応答のほか,総合討論においても会場からの質問・コメントも交えた活発な議論が行われた.

シンポジウムの様子

【プログラム】

13:00 主催者挨拶

東京大学 山本光夫(海の緑化研究会会長)

<第1部:講演>

13:10 海水中の微量鉄の存在形態について

九州大学 吉村 和久

13:45 海水中の鉄の生物・化学的特性について

金沢大学 長谷川 浩

14:20 海洋藻類の鉄応答

東京大学 吉村悦郎

14:55 コンブ配偶体成熟に及ぼす鉄の添加効果

北海道大学 本村泰三

15:45 北海道増毛町での鉄分施肥実験の10年とその後の展開

新日鐵住金(株) 加藤敏朗

<第2部:総合討論>

オーガナイザー:東京大学 山本光夫

17:10 閉会挨拶

東京大学 蒲生敏敬(海洋アライアンス副機構長)

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