東京大学 海洋アライアンス 日本財団

MESSAGE機構長挨拶

海洋と人類の新しい親和的・協調的な関係を築くために、専門分野を越え、組織横断的な教育・研究活動を実施・支援していきます。

機構長 木村 伸吾

機構長 木村 伸吾

海洋環境の保全、海洋鉱物生物エネルギー資源の持続的利用、海上交通の安全、海洋権益の確保などの観点から海洋を取り巻く状況は年々変化しています。また、研究活動であっても排他的経済水域(EEZ)内での調査には厳しい制限が設けられ、さらには国家管轄権外区域の海洋生物多様性(BBNJ)に注目が集まるなど、様々な角度から海洋学のあり方を考えるべき時代となってきています。つまり、海を取り巻く問題は多様化かつ複雑化し、自然科学と国際海洋法や海洋政策などの社会科学を融合させた教育や研究が求められ、海洋に係わる部局を横断した協力関係がさらに必要になってきているのが現状です。とくに、四方を海に囲まれた海洋国家である日本が抱える問題と、世界全体が抱える問題との両方に目を向け、その両方を同時に解決していくという強い志に根ざした力が必要です。

そこで、東京大学では2007年7月、7つの研究科、5つの研究所、1つの研究センターを中心とする「海洋アライアンス」を本学の組織の1つである機構として設立し、以後、全学にわたる部局横断的な海洋教育研究活動を数々のプロジェクトとともに行ってきました。

さらに、2020年4月に東京大学海洋アライアンス連携研究機構として改組を行い、より自発的で柔軟な体制での機動的な社会連携を目指すことになりました。具体的には、我が国が目指す「SDGs実施指針」の優先8分野の1つである「生物多様性、森林、海洋等の環境保全」を中心に、海に関わる現代的課題の発掘とその解決のために必要な基礎科学・応用科学の探究を行う一方、学際的な海洋問題に即応可能とする高度海洋人材の育成に取り組んでまいります。その過程を一般社会にも情報発信していくだけではなく、本機構が持つネットワークを深化させて海洋に係わるシンクタンクとして海洋アライアンス連携研究機構を発展させ、海洋国家としての日本に貢献していく所存です。

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