文理の枠を越えつつそれらを融合し、海への知識と理解を深める研究や海洋に関する学問分野を包括する総合的視座にたった学際的な海洋教育を実施します。
教育のコンセプト
海洋を取り巻くさまざまな問題解決に向けて、海洋分野における専門知識を有し、かつ広い文理的視野で行動できる人材を育てます。海洋アライアンスでは、分野横断型の枠組で海洋科学全般を包括的に学べる教育を実施します。
海洋を取り巻く問題は、地球温暖化や海洋汚染から、大深度油田・ガス田開発、新規海底資源探査、海上輸送の安全保障や水産資源管理、さらには海岸浸食や磯資源といったさまざまな規模で存在します。今後の海洋の持続的利用と環境保全には、海洋の統合的管理が国内外において重要な政策となります。こうした政策に関わり、全体的な枠組を立案・実施し、さらに評価するための人材には、予め海洋科学に通じ、専門性を有しつつ文理にまたがる最低限の教養が必要です。こうした最低限の教養を得るには、一つの専門分野に縛られては不可能です。
そこで東京大学海洋アライアンスでは、日本最大規模の海洋教育関連組織の利点を活かし、教養学部では総合科目「海の魅力と海の基礎」と全学体験ゼミナール「海で学ぶ〜臨海実験所での体験実習〜」によって学部学生への海洋への入門を、大学院生には「海洋学際教育プログラム」によって海洋知識の深化を促進しています。
海洋学際教育プログラム
海洋アライアンスの「海洋学際教育プログラム」は、海に関する総合的人材育成を目的とした分野横断型大学院教育プログラムです。
海洋学際教育プログラムは、東京大学の5研究科が海洋アライアンスと共同して、2009年4月から開始した東京大学の大学院生向けの部局横断型教育プログラムです。本学の持つ最先端の海洋に関する知を構造化し、総合的人材の育成をめざしたプログラムで、修了者には学位とは別に修了証が発行されます。このプログラムは所属研究科にかかわらず本学の大学院学生であれば誰でも履修することが出来ます。
2010年度の本プログラム参加数は156名。履修学生数は、のべ人数で578名に達しています。また、2011年3月には5研究科7専攻の17名にプログラム修了証が交付されました。海洋法・海洋政策インターンシップ実習の実施にあたって、これまでの国土交通省に加え、国連環境計画と関連する環日本海環境協力センターとも受け入れ協定を締結し、教育のますますの充実を図っています。
カリキュラム
海洋国日本に貢献しかつ国際舞台で役に立つ海洋科学が身につく、社会科学・自然科学・工学を横断する問題解決志向型のカリキュラムです。
日本周辺海域ならびに全世界の海洋における海洋政策の立案とその実施に向けた人材を育成し、安全保障、海洋環境保全、持続的海洋資源利用に資することを目的に、海洋アライアンスに参画する部局が協力して実施する文系理系の枠にとらわれない新たな学究領域の問題解決志向型カリキュラムとなっています。
本カリキュラムを履修することにより、海への知識と理解を深め、自らの専門性に加えて、学際領域として分野に偏りない海洋学全般を広く教養として身につけることができるように作られています。本プログラムでは指定既存講義に加え、新しく複数専攻が協働して行う講義(海洋問題演習)や、連携する政府機関・国際機関とのインターンシップ実習において実際の現場で実地演習を行います。
開講科目
| 科目種別 | 科目名 | 実施研究科 | 単位数 |
|---|---|---|---|
| 必修科目 | 海洋問題演習 | 理学系研究科 |
4 |
| 工学系研究科 | |||
| 農学生命科学研究科 | |||
| 新領域創成科学研究科 | |||
| 公共政策学教育部 | |||
| 選択必修科目1 | 海洋法・海洋政策インターンシップ実習 | 新領域創成科学研究科 | 2 |
| 海洋科学技術政策論 | 公共政策学教育部 | 2 | |
| 選択必修科目2 | 国際海洋法制度概論 | 公共政策学教育部 | 2 |
| 沿岸域管理法制度論 | 公共政策学教育部 | 2 | |
| 海事産業・政策論 | 公共政策学教育部 | 2 | |
| 選択必修科目3 | 海洋基礎科学 | 理学系研究科 | 2 |
| 海洋工学基礎 | 工学系研究科 | 2 | |
| 海洋生物資源利用論 | 農学生命科学研究科 | 2 | |
| 推奨科目 | 海洋底ダイナミクス | 理学系研究科 | 2 |
| 海洋生物学 | 理学系研究科 | 2 | |
| 海洋科学野外実習 | 理学系研究科 | 1 | |
| 海岸漂砂論E | 工学系研究科 | 2 | |
| 複雑流体システムモデリング | 工学系研究科 | 2 | |
| 海事技術イノベーション | 工学系研究科 | 2 | |
| 水産資源管理学 | 農学生命科学研究科 | 2 | |
| 国際水産開発学総論 | 農学生命科学研究科 | 2 | |
| 水域保全学 | 農学生命科学研究科 | 2 | |
| 水環境論 | 新領域創成科学研究科 | 2 | |
| 海洋環境創造論 | 新領域創成科学研究科 | 2 | |
| 海洋環境モデリング | 新領域創成科学研究科 | 2 | |
| 科学技術と公共政策 | 公共政策学教育部 | 2 | |
| Science, Technology and Public Policy | 公共政策学教育部 | 2 | |
| 国際空間秩序と法 | 公共政策学教育部 | 2 | |
| 交渉と合意 | 公共政策学教育部 | 2 |
「科学技術と公共政策」を履修した者は、「Science, Technology and Public Policy」は履修できません。
「国際空間秩序と法」は、平成24年度は開講いたしません。
本プログラムの講義科目は、関連する研究科・専攻の科目として開講します。具体的には、海洋問題演習を必修科目として実施5研究科で各々開講し、また分野横断的な学習を促すため、選択必修1(共通科目)、選択必修2(文系科目)、選択必修3(理系科目)を各研究科において開講します。また、より深めた講義の受講を可能とするため、これらの科目とは別に、各研究科の開講科目の中から1~2科目の履修を推奨します。なお、海洋問題演習Ⅴb(冬学期)を受講するには、海洋問題演習Ⅴa(夏学期)の履修が必須です。
【修了に必要な単位数】
| 科目種別 | 必須習得単位数 |
|---|---|
| 必修科目 | 4 |
| 選択必修科目1 | 2 |
| 選択必修科目2又は3※ | 2 |
| 選択必修科目1~3 | 2 |
| 小計 | 10 |
| 選択必修科目1~3又は 海洋アライアンス推奨科目 |
4 |
| 合計 | 14 |
※自身の研究分野が主に文系に属する学生は選択必修3 を、理系に属する学生は選択必修2を履修することを推奨します。 |
|
教育プログラム修了証の交付
申請により教育プログラム修了後には、プログラム修了証を手にすることが出来ます。
登録申請方法
登録は、必修科目Ⅰ~Ⅴaを履修する際に、所定の申請用紙「海洋学際教育プログラム登録申請書」(別紙)に必要事項を記入し、期日までに所属する研究科等の教務担当まで提出すること。科目の履修は、所属する研究科等の定める履修手続き及び方法に従い、研究科等の定める期限までに履修すること。
単位認定
単位・成績の評価は、授業科目ごとに行われる。なお、他の研究科の科目を履修した場合の単位認定は、履修学生が所属する研究科等において定められた取扱いによる。
修了認定
登録申請後、プログラムが定める所定の科目を履修し、かつ定められた期日までにUT-mateで部局横断型教育プログラムWEB修了証申請を行った者に海洋学際教育プログラムの修了証を交付する。
注意事項
最新情報は常にウェブサイトでチェックすること。
開講科目の担当教員およびシラバス
海洋学際教育プログラムに関するお問い合わせ
- 277-8561 千葉県柏市柏の葉5-1-5
- TEL: 04-7136-4093/FAX: 04-7136-4010
- E-mail: education@oa.u-tokyo.ac.jp
学生活動の紹介
海洋アライアンスでは本プログラムの受講生を対象に国内外のイベントへの派遣を行っています。2009年11月、フィリピン・マニラで開催されたPartnerships in Environmental Management for the Seas of East Asia (PEMSEA 2009) の会議のユースフォーラムに、海洋問題演習の履修生を公募で選考の上、3名を派遣した。PEMSEAに参加した履修生の報告は、海洋アライアンスの関連ホームページ及び主催のシンポジウムで報告されている。
2010年9月、国際訓練調査研究所(UNITAR)が東京で開催したTraining Session on Sea and Human Securityに本プログラムの履修生2名を派遣した。さらに同年10月、名古屋で行われた生物多様性条約締約国会議第10回(CBD-COP10)では、本プログラムの履修生がサイドイベントでワークショップを開催すると共に、会場でポスター発表を行った。
教養学部総合科目「海の魅力と海の基礎 I, II」
2007年度冬学期から、海洋アライアンスメンバーの教員が、各学期13回に分けて行っているオムニバス形式の講義。多数の部局の教員が2学期間に渡り、くまなく海洋に関する研究を紹介する。海の研究に関する幅広い知識を学生に習得させ、将来の進路選択の一助とするべく開講している。履修者は、2009年度夏学期31名、冬学期14名、2010年度では夏学期12名、冬学期30名であった。夏学期・冬学期同時履修も可能である。
全学体験ゼミナール「海で学ぶ〜臨海実験所での体験実習〜」
教養学部の学生を対象に理学系研究科付属臨海実験所で、2泊3日の集中講義および実習を行います。講師は海洋アライアンスに登録の教員で行われ、2009年度は16名、2010年度は18名の学生が参加し、臨海実験所職員、ティーチングアシスタントに支援を得ながら海岸の地質調査、海水分析、生物採集、操船実習、ROVの操縦などを体験した。

















