東京大学 海洋アライアンス東京大学 海洋アライアンス

将来の海洋国家日本を支える人材を育成し、現代の社会が直面する海洋に関連した課題を解決するため、日本財団の助成により3つの研究プロジェクトを進めています。自然科学系から社会科学系まで多くの領域の教員・研究員が協力することで、異分野を統合した新しい知を社会に向けて発信します。

国際的な海洋人材の育成とネットワークの構築

マグロやウナギなど海に関係する食の資源。希少金属などの海底資源。これら限りある資源の消費や開発をめぐり、国際的な第一線の舞台で世界を相手に交渉できる優れた人材がいま求められています。そのためには、海洋に関する高度な知識に加え、国際交渉に必要なスキルとネットワークをもつ人材を育てる必要があります。

この研究プロジェクトでは、海洋アライアンスの分野横断的な大学院教育プログラムである「海洋学際教育プログラム」の履修生から選抜した学生を、2〜3か月間、国際的な行政機関や研究機関に派遣します。世界の舞台で実務を体験するだけでなく、いまの日本に求められる課題を発見し、解決に導く方策を探求する現場即応型の研究をおこなうことが目的です。

この研究成果をつぎの海外派遣にフィードバックし、海にかかわる優れた人材の育成に役立つ、より充実したインターンシップ制度の確立を目指します。

プロジェクト長 木村 伸吾 教授 新領域創成科学研究科
主担当特任教員 山本 光夫 特任准教授 海洋アライアンス
野村 英明 特任助教 海洋アライアンス
メンバー 日比谷 紀之 教授 理学系研究科
良永 知義 教授 農学生命科学研究科
八木 信行 教授 農学生命科学研究科
村山 英晶 教授 新領域創成科学研究科

「メガ津波」から命を守る防災の高度化研究

海で起きるマグニチュード9クラスの巨大地震にともなう「メガ津波」から全世界の沿岸国の人々の命をどう守るのか、私たちはこの課題に海洋科学・海洋工学の観点から取り組んでいます。

2011年の東日本大震災では、津波の到達予測が十分とは言えませんでした。地震波の観測から地震のもととなる断層の位置と規模を推定し、それから津波の波高と到達時間を割りだす現在の手法では、めったに起きないメガ津波を精度よく予測することはできません。

メガ津波の発生を素早く高い精度で予測するためには、沖合の海上において震源域の真上で津波が発生した直後にその波形をとらえることが重要な鍵を握ります。そのためには沖合で津波の発生をモニターする観測システムを充実させる必要があります。

そこで、このプロジェクトでは、沖合で津波を直接とらえる新しい方法として、沖合を航行する飛行機や船舶を利用した観測にチャレンジしています。実際に飛行機や船舶にレーダーや高精度GPSを取り付けて試験観測を行い、津波によって生じる海面水位の変化を捉えることができるかどうかを調べています。また、このような観測で得られる沖合の津波データを用いて、危険な地域がどこかを瞬時に計算する方法についても研究を行っています。

現在、全世界の沿岸域の大都市を結んで海洋上いたるところを多数の飛行機や船舶が航行しています。将来これらの飛行機や船舶の一部を津波の観測に利用できるようになれば、グローバルな津波観測のネットワークを多くのコストをかけずに構築できるようになります。この既存の交通インフラを活用した津波の観測システムを世界に向けて提案し、全世界の沿岸国の津波防災に役立てることが、私たちの最終的な狙いです。

プロジェクト長 早稲田 卓爾 教授 新領域創成科学研究科
主担当特任教員 丹羽 淑博 特任准教授 海洋アライアンス
担当特任研究員 広部 智之 特任研究員 海洋アライアンス
メンバー 日比谷 紀之 教授 理学系研究科
林 昌奎 教授 生産技術研究所
田島 芳満 教授 工学系研究科

海洋動物の防疫のためのリスク情報の社会発信(マリンバイオセキュリティプロジェクト)

海洋動物の感染症の侵入・まん延を防ぐ。

海外には、国内に侵入すると養殖や野生を問わず海洋動物を死亡させ、産業や生態系に大きな影響を与える可能性が高い多くの感染症が存在しています。また、国内にも、一部の海域にのみに分布する感染症が存在しています。これらの感染症の侵入・まん延の防止は喫緊の課題となっています。

感染症の侵入・まん延防止は法令に基づく防疫措置が重要であることは言うまでもありませんが、水産業界、水産物の流通業界、観賞魚業界、釣り人など多岐にわたる関係者が感染症侵入・蔓延のリスクとその防止の重要性を認識し、自発的に防疫措置を行うことも不可欠です。

そこで、このプロジェクトは、海外や国内に存在する感染症に関する情報を収集・整理し、それぞれの感染症のリスク評価を行うとともに、その情報を社会発信することで海洋動物における防疫を一歩でも前進させることを目的とします。

プロジェクト長 良永 知義 教授 農学生命科学研究科

終了したプロジェクト

海洋の利用に関する合意形成手法の開発

海は、さまざまな形で利用されています。漁業や海の交通、海水浴などのレジャー。近年は、海岸の自然環境を保護しようとする運動が高まりをみせ、次世代のエネルギー源として洋上風力発電の可能性を探る研究も始まっています。

限られた海をさまざまな人たちが利用しようとすると、ときに関係者の利害が対立することがあります。たとえば、海を観光資源とみる人たちと、自然保護を訴える人たちとでは、海に対する考え方は違います。

かならずしも利害が一致するわけではないさまざまな海の利用を、これからどう進めていけばよいのか。関係者が合意するには、どのような条件や手続きが必要なのか。事例研究などを通して、このきわめて実務的な課題にこたえていこうとするプロジェクトです。

プロジェクト長 道田 豊 教授 大気海洋研究所
主担当特任教員 諏訪 達郎 特任准教授 〜2018年3月
久保 麻紀子 特任准教授 〜2016年3月
担当特任研究員 徳永 佳奈恵 特任研究員 〜2018年3月
保坂 直紀 上席主幹研究員 〜2017年5月
杉野弘明 特任研究員 〜2017年3月
メンバー 城山 英明 教授 公共政策大学院
日比谷 紀之 教授 理学系研究科
八木 信行 教授 農学生命科学研究科
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