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ここでは派遣された学生からの報告を紹介します。

2018/03/12  アメリカ海洋大気庁/漁業局南西部漁業科学センター(NOAA SWFSC)

農学生命科学研究科・修士課程1年 榎本 めぐみ

<実習先紹介>

 私は、1/15~3/18の間、アメリカ合衆国の西海岸、カリフォルニア州のメキシコとの国境に位置するサンディエゴに存在する、NOAA/SWFSC(National Oceanic and Atmospheric Administration/Southwest Fisheries Science Center、アメリカ大気海洋庁/南西水産科学研究所)に滞在し、実習を行っています。

blog2017_14_1.png図1. 夕暮れ時のSouthwest Fisheries Science Center概観


 SWFSCは、アメリカ合衆国商務省の機関の一つであるアメリカ大気海洋庁の中のアメリカ海洋漁業局 (National Marine Fisheries Service; NMFS)の研究機関の一つです。海洋生物学、経済学、海洋学の研究を行い水産資源生物とその生息環境を観察するとともに、海洋生態系や漁業と保全的な社会経済への環境変化や気候変動の影響を調査しています。アメリカの南西地域における水産資源を保存・管理するための最先端の研究を行っています。


 非常に見晴らしのよい高台に位置し、研究所からはLa Jolla Coveなどの海岸線が一望できます。近くにはカリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)の一部であるスクリップス海洋研究所や、スクリップス海洋研究所の一部であるBirch水族館なども存在し、海洋のことを学ぶのに非常に素晴らしい環境であると感じています。

blog2017_14_2.png図2. (左)SWFSC付近のスクリップス海洋研究所内、Ellen Browning Scripps Memorial Pier

(右) SWFSCからLa Jollaの海岸線を一望できる、右下の建物はスクリップス海洋研究所


<インターンシップの内容>

 日本を離れ、他国の海域の研究を行うことによる自分の研究内容の発展、母国語と異なる言語を用い、背景も考え方も異なる外国の研究者の方々が用いている手法を教わり、議論を交わすことで得られる自らの研究に関する総合能力の向上、そして日本国外での研究者との繋がりを持つことを目的にインターンシップに励んでいます。また、将来研究者として働くことを考えているため、日本以外の研究環境の様子についても興味があったこともインターンシップに応募するきっかけでした。


 インターンシップの主な内容は、カリフォルニア海域に生息するマアジ属の一種(Trachurus symmetricus)を用いた個体群動態と、その回遊履歴の推定です。具体的には、各調査の個体群の体長頻度分布の作成による各調査とそのエリアごとの個体群変動の分析、耳石サンプルの管理及び整理、耳石による日齢・年齢査定やそのための耳石研磨の手法の取得、そして体長頻度分布の結果からどの調査の個体群の比較を行うか決定し、その年及び調査の耳石サンプルの日齢査定を行い、耳石の酸素安定同位体比を計測できる状態を整えることです。耳石とは、魚類の内耳に存在し、日齢・年齢査定や回遊履歴の推定に用いられる、炭酸カルシウムで構成された組織です。SWFSCには約30年間のカリフォルニア海域のマアジの耳石が保管されており、それらを用いて解析を行いました。また、耳石の酸素安定同位体比を計測することによって、その個体の経験していた水温や塩分の履歴を調べることができるので、海洋環境のデータを合わせればその個体の回遊履歴を推定することができます。これらカリフォルニア海域のマアジ属の一種の研究及び解析を行い、私の修士論文研究である日本周辺に生息するマアジ(Trachurus japonicus)の解析結果と比較することが最終的な目標です。

blog2017_14_3.png図3. カリフォルニア海域のマアジ属の一種(Trachurus symmetricus)

上図が稚魚(SWFSCに保管されていたもの)、下図が成魚(Birch水族館にて)


 また、上記の他にも、飼育されているマイワシの餌やりや、そのマイワシを用いた産卵実験、魚の体長、体重、耳石の摘出法、生殖腺による雌雄と成熟度の判別法や卵巣の摘出・保存など、魚類に関する基礎的なデータ入手法や研究方法などを教わりました。元々学部で水産や海洋を学んできていない私にとって、このように基礎的な内容を学ぶことができたのは非常にいい機会でした。また、主要な実習内容含め既に知っていたことでも、英語での言い回し、細かい手法や実験・調査で使用する器具などの環境づくりなどに日本で教わってきた方法との差異を感じ、非常に参考になることが多いように感じました。

blog2017_14_4.png図4. 作業中(左図がマイワシの体長測定時、右図が各年の耳石サンプルの整理)


 更に、音響トロールという方法による主要な資源生物の調査の会議であるATM(Acoustic-Trawl Methotology) meetingという会議にも少しですが出席させていただきました。カリフォルニア海域における主要な資源生物の分布やこれまでの調査結果、音響トロールの詳細などを学ぶことができたほか、調査法への活発な議論を見学することができ、いい経験となりました。


 こちらでは、前述の公的な会議以外でも、廊下やランチルームでばったり人と会ったときなども含め非常に頻繁にミーティングや議論などが行われており、研究内容の相互の理解やより綿密な研究・実験計画づくりが行われていると感じました。議論が活発になり、予定以上の長時間議論をすることもしばしばありました。そのため私も日本にいた時よりも積極的に議論や意見交換などを行うことができ、わからないところがあれば臆することなく質問をして理解を深めることができました。また、実験や作業に必要な器具の入手や製作が容易であるといったことの他にも、労働環境のフレキシブルさといった面から、日本よりも研究をするための良い環境を作ることができるという印象を受けました。


<インターンシップでの生活>

 休日には、研究者の方にSan Diego動物園やJoshua Tree国立公園など、車でしか行けないような観光スポットに連れて行っていただいたり、バスの定期券が期間内であれば乗り放題であるという特性を生かして自分自身で様々な観光スポットに行ったりなどしました。また、生活面に関しては、帰宅時に研究者の方の車に乗せていただき、どのような場所でどのような買い物ができるかを教えていただいたり、時には一緒にスーパーマーケットに行って一緒に買い物をしたりといった生活の補助もしていただきました。その他にも、宿泊先のホストの方にアメリカでの生活の知恵などを教えてもらいました。NOAA/SWFSCには他のインターン生がおらず、実習先で同年代の学生と話す機会はほぼないのですが、近隣に非常に大きな大学があり、そこに通うために学生が同じ宿泊先に泊まる機会もあったため、その際に親交を深めることができています。

blog2017_14_5.png図5. Joshua Tree国立公園


<終わりに>

 このインターンシップを通して、自分の研究対象や研究手法に関する知識がより深まっただけでなく、より積極的に議論し、理解や考察を深めあう能力など、研究を行うことに必要な能力を向上させることができたように思います。研究に関することのみならず、初めての海外での長期生活を通して、自分自身の生活や時間の使い方など、根本的に自分を見直すこともできました。


 お世話になった研究者の方々をはじめとした、周りの方に非常に親切にしていただいたおかげで、インターンシップを実りあるものにすることができました。非常に得難いこれらの経験を、これからの研究生活に活かしていきたいと思います。

blog2017_14_6.png図6. SWFSCから見たサンセット

2018/03/06  東南アジア漁業開発センター(SEAFDEC)

農学生命科学研究科・修士課程1年 田熊 文香

<派遣先と派遣先機関の紹介>

 東南アジア漁業開発センター(Southeast Asian Fisheries Development Center、以下SEAFDEC)は、東南アジア諸国と日本によって構成される政府間組織であり、1967年に設立されました。漁業地域の持続可能な開発を促すことによる食料安全保障の確立と貧困緩和の実現を目的としています。SEAFDECは、本部であるSecretariatと5つの部局で構成されています。Secretariatはタイ、5つの部局はそれぞれタイ、シンガポール、フィリピン、マレーシア、インドネシアに存在しており、私はタイにある訓練局(Training Department、以下TD)で、2018年1月初旬から2か月半、インターンシップ生として活動しています。

blog2017_3_Takuma1.pngSEAFDEC/TDの外観 (SEAFDECの50周年を機に外装が変わりました)

<インターンシップ内容>

 私はTDで研究開発課(Research and Development Division)の漁業管理部門(Fisheries Management Section)に配属されました。この部門では、持続可能な漁業管理の導入促進や、漁業管理を取り巻く地域や人間関係の状況についての研究等が行われています。

 単一魚種に対する大規模漁業が中心の欧米とは異なり、東南アジア諸国では多様な魚種に対する小規模漁業が中心です。そのため各魚種について漁獲量等のデータを収集するのは欧米の漁業に比べ困難です。またデータ収集には時間と費用が掛かります。東南アジア諸国の漁業については、トップダウンで科学的根拠に基づいた漁獲量制限等を設けることは時間が掛かる上に、監視機能がなければ効果が見込めません。

 日本では漁業協同組合が存在し、当事者である漁業者によってルールが定められ、相互監視の機能が働くような状況が成立しています。私が参加しているプロジェクトは、日本の漁業協同組合を参考に、プロジェクトサイトでその土地に適した漁業者の組織をつくり、自主的な漁業管理を促すことを目的としています。プロジェクトには期限があり、TDが一つのプロジェクトサイトに永久に関与し続けることはできません。また、一つのプロジェクトサイトだけではなく、東南アジア諸国全体で、持続的な資源利用を可能にする漁業管理が行われることがSEAFDEC/TDとしての最終的な目標です。最終目標を達成するには、今行われているように各国の政府と協力しつつ、より漁業者に近い現地の役人に対してもトレーニングを行うなど、川上から川下までの関係者と連携を取り、輪を広げていくことが必要不可欠であると感じました。

 これまでに私が参加したラオス(Nam Souang Reservoir周辺地域)への出張では、漁業者の会議が開催されました。この会議には2つの地域の漁業者グループが参加し、漁業者たちはグループ間の規則の違いを調整していました。特に漁業者の議論が白熱したのは、規則に違反した場合の罰金についてです。罰金の金額が異なることによって、金額が安い方の地域に移住者が増えてしまうという懸念と高い罰金は払いたくないというジレンマがあり、各地域のリーダーを中心に多くの発言がありました。またこのプロジェクトでは保護区(Conservation zone)の設定も行っていますが、ラオス政府の畜水産部門の方によると、漁業者は、不漁でその日の食料がない場合や、子供の学校の準備等で普段よりお金が必要な場合に保護区で漁をしてしまうようです。SDGもあり、世界的に持続可能な漁業が目指されていますが、地域によっては生活の持続可能性を考慮する必要性があると現地で感じ、改めて「持続可能」という言葉の意味を考えさせられました。

blog2017_3_Takuma2.png ラオスでの漁業者の会議にて(ラオス語で自己紹介しました)

blog2017_3_Takuma3.png Nam Souang Reservoirの様子(周辺では牛などが放し飼いされていました)

<インターンシップ生活>

 異なる文化を持つ他国で生活していると日々新たな発見があり、大変興味深いです。例えば、タイ人は名前が長いため、本名ではなくあだ名で呼び合うことがありますが、そのあだ名は日本のように友達との交流の中で生まれるものではなく、その人の特徴から子供の時に親につけられている人が多く、全員が2文字程度の短いあだ名を持っています。あだ名で呼び合うことにはより親しみを感じることができるという利点があります。名前が長いことから生まれたあだ名で呼び合う文化は、結果的に周囲の人と親しい関係を築きやすくしていると感じました。

 SEAFDECは東南アジア諸国の機関なので、東南アジア全体で協力して物事を進めていこうという動きが大きく、タイ人だけでなくラオス、カンボジア、ミャンマー、インドネシアなど様々な国の人達と交流する機会があります。タイに隣接している国も多いですが、国によって母語が異なり、服装や雰囲気は共通する部分もあれば、異なる部分もあります。東南アジア文化の多様性を感じることができ、また同時に日本の文化を少し外から考える機会にもなっています。

blog2017_3_Takuma4.pngASEAN地域の熱帯ウナギ資源の会議の様子(レセプション等で東南アジア諸国の方々と交流しました)

<おわりに>

所狭しと店の並んだマーケットにワクワクし、道端で暑さにへたっている犬を新鮮に思い、タイ語の発音に苦労しつつ、これまでの期間を過ごしてきました。親切な方々のおかげで充実したインターンシップ生活を送れています。SEAFDECをはじめとした周りの皆様に感謝しながら、一つでも多くのことを得て、今後に生かしていけるように残り半分の期間を過ごしていきたいと思います。

blog2017_3_Takuma5.pngティータイム(タイでは飲み物の容器が大きく、氷がたくさん入っています)

2018/03/06  国際海事機関(IMO)

農学生命科学研究科・修士課程1年 結城 知佳

<派遣先の紹介>

 私は2018年1月半ばから2か月間、国際海事機関 (International Maritime Organization, 以下IMO)のリサーチインターンシップに参加しています。IMOは海事分野における国際協力の推進を目的とした国連の専門機関であり、主に船舶の安全な航行、船舶由来の海洋汚染防止に取り組んでいます。イギリスの首都ロンドンのウェストミンスター地区に位置し、周辺にはウェストミンスター宮殿を始めとした歴史的建造物も数多くあります。

IMO外観s.jpg[IMOの外観]

<インターンシップの内容>

 IMOでのインターンシップは、実際の業務に携わるのではなく、国際海事に関連したテーマについての調査が主な内容です。自分が興味のあるテーマを設定し、Marine Knowledge Centre (以下MKC) と呼ばれるIMOの図書室において、IMOのウェブページやMKC内の紙資料、IMO職員へのインタビューから情報を集め、テーマに対する自分の知見や考えを深めていく、というものです。

図書室の様子s.jpg[図書室]

 私は、「発展途上国においてMARPOL条約を履行するには何が必要か」というテーマで調査を行っています。MARPOL条約は、1983年に発効された、船舶由来の海洋汚染防止を目的とした多国間条約であり、2つの議定書および6つの付属書から構成されます。当初は油濁汚染に関する規制が中心でしたが、幾度となく改正を重ね、現在では包括的に汚染物質の排出を規制しています。2017年では世界の船腹トン数の約99.5%が批准していますが、汚染物質の排出規制のためには高度な技術が要求されること等から、途上国においては条約に批准しているものの、効果的に履行されていないという現状があります。IMOでは、途上国における効果的な履行を促進するためにTechnical Co-operation Committee (TCC) において途上国の技術移転を支援するプログラムを多数行っています。

 私は、MARPOL条約の内容や履行の仕組み、について文献調査を行うだけでなく、TCCに所属する職員の方にインタビューさせていただきながら、調査内容をまとめています。また、ちょうどMARPOL条約の改正に関わる国際会議も開かれていたため、そちらの見学もさせていただき、国際会議の様子を生で感じることもできました。

MARPOL条約に関連する文献s.jpg[MARPOL条約に関連する文献]

<インターンシップ生活>

 IMOでは、日本人職員の方などに仕事内容についてお話を伺う機会がありました。国際機関での仕事やキャリアパスというと、以前はイメージがわかないことも多々ありましたが、実際に活躍されている方のお話を伺ことで身近に感じることができるようになりました。他のIMOの職員の方やインターンシップ生もみなさんフレンドリーで、多くの方のご厚意に支えられながらインターンシップ生活を送っています。

 また、ロンドンは市内に歴史ある教会や博物館が多くあり、市内を回るだけでもとても楽しめます。また、非常に交通の便が良いため、ロンドン郊外やさらには大陸への小旅行も可能です。私は土日を利用して様々な場所に出かけています。

他のインターンシップ生と一緒にs.jpg[他のインターンシップ生と一緒に]

<おわりに>

 私にとって今回のインターンシップでの最大の収穫は、多国籍の方とのコミュニケーションに抵抗を感じなくなったことだと思います。以前は、英語への自信があまりなく、日本以外の人たちとの交流経験も少なかったことから、心のどこかに抵抗がありました。国際機関という国際色豊かな環境において、様々な国出身の人たちが、違う背景を持ち、違う発音の英語を使いながらも、何事もなくコミュニケーションを取っている姿を見て、まずは自分から動くことの大切さを感じました。また、自分の調査を進めていく上で、様々な方からサポートをしていただき、多くの方のご厚意の上でインターンシップが成り立っていることを痛感しています。自分が感じたことを形にし、関係者の方に感謝の気持ちを返していくためにも、まずはしっかりと調査に取り組み、またこの経験をこれからにつなげていくことができるよう努力して行きたいと思います。

2018/02/26  国連工業開発機関(UNIDO)

理学系研究科・修士課程1年 瀧川 翼

<はじめに>
 私は2017年9月から2018年3月までの6ヶ月間、国連工業開発機関(UNIDO)本部のエネルギー部門、Climate Policy and Networks Divisionにてインターン実習を行っています。
 現在大学院では気候変動科学を専門として研究していますが、地球温暖化問題に広く興味を持っており、近い将来より逼迫するであろうこの問題に国際的に貢献できる人材となるのが私の夢です。言うまでも無く、地球温暖化問題はその科学的メカニズムの理解のみにとどまらず政策・経済分野からのアプローチが不可欠ですが、大学院での生活ではその業務から非常に距離があるため、実地での経験を積むためにUNIDOへのインターンへ応募しました。
 温暖化問題には非常に多くのステークホルダーが存在するため、残念ながらその対策は遅々として進んでいない状況です。この要因、つまりボトルネックとなっているファクターは何なのかという問いは渡欧前からの長らくの疑問でした。そのような中で、気候変動科学という理学的バックグラウンドを持つ自分が現状打開のためどのように貢献できるのか、自分なりの答えを導くことで将来の進路を明確にしたいという思いがありました。


<インターンシップの内容>
 実際の業務では、非常に幅広い経験をさせていただき、想像していた以上の学びを得ることができました。以前から関わりたいと思っていた国連気候変動会議(COP23)では、UNIDOが主催するサイドイベントの運営・アシスタントを通して、COP23の政府交渉の場以外でどのように二組織間(あるいはそれ以上のマルチな協力関係)が築かれていくのか間近で経験する機会に恵まれました。また、UNIDOという組織の長期的なビジョンを踏まえ今後どのようにUNIDOが温暖化問題に貢献していけるのか、そのためにはどのようなパートナーシップが必要かを常に考え、それらのアイデアを自分のアウトプットに盛り込んでいく中で独創的な仕事をする楽しさを学び、アフリカにおける低炭素技術移転のプロジェクトでは、本部だけでなく各国オフィスのスタッフと共同で企画書を作成する経験を通してまさに国連という国際組織での仕事における醍醐味を実感することができました。

図1_S__40714265.jpgBRIDGE for Cities の運営メンバーと

図2_S__40714264.jpg初めて議事録を取ったBRIDGE for Cities会議の様子

図3_UNIDO2017_10瀧川.pngUNIDO General Conferenceの様子

<インターンシップ生活>
 6ヶ月のインターンを通じて、UNIDO内はもちろんのことウィーンにあるその他の国際機関(IAEA, UNODC, CTBTO, UNOVなど)や学術機関(ウィーン大学、IIASAなど)、さらに在ウィーン国際機関日本政府代表部や大使館など政府機関の方々とお話する機会に恵まれました。社会人の先輩方に現在の仕事やこれまでのキャリアパスについてお話を伺う機会では、いつも新たな発見がありました。日本にいるとどうしても狭い視野で将来のキャリアを考えてしまいますが、このような機会を通じて、より幅広い観点で柔軟に将来の進路を考える意識が身につき、自分の人生にとって非常に大きな転機になったと実感しています。

図4_S__40714259.jpg日本政府代表部への訪問

 また、2月にはウィーン国際機関日本人職員に向けて、私が高校生から続けている趣味である能楽についてプレゼンテーションする貴重な機会を設けていただきました。当日は、国連職員とそのご家族など30名を超える方々にお越しいただき、一時間ほどの文化講座を担当しました。普段なかなかお話する機会のない方と出会えただけでなく、日本文化を海外に発信するという意味でも非常に意義深い経験となりました。

図5_S__40697922.jpgUNVJ(在ウィーン国連機関日本人職員の会)にて、「能」についての文化講座を講演した様子

図6_S__40714261.jpgUNWG でのバザーボランティアの様子

<おわりに>
 私が当初持っていた「温暖化問題におけるボトルネックは何か」という疑問に関してはまだ明確な答えは出ていないものの、その答えに近づいたことは確かです。本インターンを通じて、国際機関および政府の政策的アプローチが温暖化解決のために非常に大きなインパクトを持つことを実感することができ、そして何よりも自身がその過程の一員となれたことは非常に大きな収穫でした。
 修士課程修了後の進路はまだ未定ですが、ここで多様なバックグラウンドの方々と出会い議論する機会に恵まれたことで、自分の夢に向けたキャリア設計が渡欧前よりも数段明確になりました。このような貴重な機会を与えてくださった教育的な上司と、いつもサポートしてくれる頼もしい同僚に心から感謝の意を表したいと思います。今後、ここで得られた多くの学びと濃密な時間をしっかりと自分の糧にできるよう、今後も精進していく所存です。

2018/02/26  国際原子力機関(IAEA)

農学生命科学研究科・修士課程1年 王 子健

1 派遣先の紹介

 IAEA-NAEL(International Atomic Energy Agency - Division of IAEA Environment Laboratories)は、モナコの最大の海港(Port Hercute)側に面しており、モナコ皇居がある山の麓にあります。NAELのスタッフは総勢40人ぐらいであり、とても小さい部門です(図のオレンジ色の建物の2、3階のみ)。IAEAは原子力の平和利用を目的として、エネルギー、食料、安全など様々仕事を行っています。また、原子力の軍事的利用に転用されること防止を目的とし、2005年度のノーベル平和賞を受賞しました。その中で、NAELは、IAEA及び国際社会に精度が高い放射性データを提供することを目指しています。私はここで2017年11月12日より4ヶ月間のインターンシップに参加しています。

IAEA-NAELの外観(遠方はモナコ皇居)s.jpgIAEA-NAELの建物(遠方はモナコ皇居)

2 インターンシップ内容

 私はNAELにあるRadiometrics Labotoryに所属しており、スーパーバイザーの下で国際的なデータセット:「 Marine Information System(MARiS)」及び「GLOBAL MARINE RADIOACTIVITY DATABASE(GLOMARD)」作成するという仕事をしています。MARiS&GLOMARDとは、IAEAが中心となって、色々な研究所、機構、大学も参加して開発しているデータセットのことを指します。MARiSとは、GLOMARDの一部分で、とくに海洋放射性元素に注目して、海洋及び沿岸域における精度の高いデータベースを提供するものです。

 私の業務内容は、他の機関、大学から海洋放射性元素データセット(論文、Reference及び政府公開データなど)を収集して、MARiSにデータを編集して加えることです。自分の修士研究テーマと連携させるために、日本周辺の生物放射性元素に注目しています。MARiSのデータベースの中で、日本のデータ数量は約40%を占めており、特に2011年以降は東日本大震災の影響により、日本周辺のデータが重要視されています。

  もう一つは過去のデータベースのQuality Controlです。これまでのデータベースには、生物種名の誤りや緯度経度情報の誤りなど修正が必要な部分があります。これらの修正に携わっています。

MARiS開発者とs.jpgMARiS開発者と

3 インターンシップ生活

 NAELの仕事時間は比較的自由に調整することができます。毎日9:30-11:30 及び 14:00-16:00 は必ず出勤している必要がありますが、他の時間は自由調整できます 。(例えば月曜日 9:00-16:00 が出勤、火曜日は 8:00-18:00 出勤も可能で、一週間合計 42.5 時間出勤という出勤すればよい。ただし、残業防止のため7:00 以前及び19:00 以降の出勤が認められていません)。私と同じ部門で働いている同僚は、フランスやスイスからきていたり、アジアから来ている人がいます。ただNAELは小さい部門ということもあり、他のインターン生がいなかったことは少し寂しく感じましたが、NAELの皆さんと接することで、多文化を体験して、国際経験が豊かになったと思っています。クリスマスの時に行われたNAELの年末パーティーにも参加しましたが、スタッフのみなさんは息子や娘達を連れて参加し、随分賑やかなものでした。そして様々な活動を参加して、私の一番忘れ難いことといえば、やはりマントン(Menton)のLemon Festivalです。私が住んでいるマントンは、フランスとイタリアの国境線に位置して、「世界レモンの故郷」と呼ばれています。毎年の二月ごろに開催されています。レモンパレード、レモンにより芸術品を作りなど様々イベントがあり、本当に面白いと思います。

レモンの芸術品s.jpgMentonのレモン芸術品

4 終わりに

 このインターンシップにより、私はデータに対する統計と整理する能力を向上させることができ、将来の自分の研究にとっていい大変によい経験ができました。一方で、人と協力しながら仕事を進めていく経験も積むことができました。仕事というのは、自分だけではなく、人との繋がりや他の人との協力関係などが大事なことが分かりました。一人で4ヶ月インターンシップに参加することで、英語もすらすら話せるようになりました。そして、世界中の様々な国から来た人がいますので、彼らから全く違う文化と考え方を学ぶことができました。将来必ず何かの力になるはずだと思います。

 このインターンシップが私の生き方や考え方に大きな影響を与えたと思っています。この先、途中に困難にあったり、自分を疑ったりすることもあるかもしれませんが、自分の努力で引き続き頑張って行きたいと思います。この4ヶ月の海外インターンシップは私の将来にとってもとてもいい体験になりました。意志のあるところに道は開ける、私はこれを信じて、生きていこうと思います。

2018/02/20  国連工業開発機関(UNIDO)

工学系研究科・修士課程1年 加藤 優樹

<派遣先について>
 私は、2017年9月17日〜2018年3月11日の約半年間の日程で国連工業開発機関(United Nations Industrial Development Organization, UNIDO)でインターンシップを行っています。UNIDOは国連の専門機関の一つであり、開発途上国や市場経済移行国において包摂的で持続可能な産業開発(Inclusive and Sustainable Industrial Development)を促進し、これらの国々の持続的な経済の発展を支援しています。本部はオーストリアのウィーンにあるVienna International Center (VIC) の中にあり、ここで実習を行いました。

blog2017_8_Kato図1s.jpg図1 仕事風景

<インターンシップの内容>
 私はUNIDOのエネルギー部に所属し、インターンを行っています。エネルギー部では主にアフリカやアジアの発展途上国に対して主に電力アクセスの向上に貢献する技術支援のプロジェクトを実行している部署です。私が実際に行った仕事内容は主に以下の2つでした。


①プロジェクトに関するリサーチやレポート作成
 アフリカで進めていく予定のプロジェクトについて必要な情報の文献調査や書類作成などを行っています。これまで、太陽光発電を用いた水浄化プロジェクトでは、水供給や旱魃の影響などの背景情報を調べ、project documentと呼ばれる書類の一部を執筆することができました。また再生可能エネルギーを用いた分散電源システムであるミニグリッドを導入するプロジェクトにも関わり、アフリカ各国における導入状況や政策、導入した後の運営手法について調査しました。


②UNIDOが開催するイベントや会議の補助
 9月に行われたBridge for Citiesというイベントや11月に開かれたUNIDOの総会のDonor Meetingに関わりました。前者のイベントではマッチメイキングミーティングを担当し、会場までの案内や議事録作成を担当し、Donor Meetingでは会場で流すビデオの作成や、その他運営の補助を行いました。


blog2017_8_Kato図2s.jpg図2 Donor Meetingにて

<インターンシップ生活>
 幸い私のインターン期間中には同じオフィスの部屋に他のインターン生が絶えず一人はいたのでよくランチを一緒に食べることができ、また時々仕事終わりにVICの中にあるバーでお酒を飲んだりしています。出身はバラバラですが、意外なところに共通点があり、分かり合えるところもあって楽しく過ごすことができています。
 またこれまで、週末にはオーストリア国内や近隣の国々を訪れることもできました。季節が秋冬ということで天候はあまりよくありませんでしたが、日本にはない様々な自然や建築、文化を体感することができました。

blog2017_8_Kato図3s.jpg図3 金曜日のVICのバー

<まとめ>
 これまで一回の旅行以外で日本を出たことがなかった私にとって、国際機関での半年間のインターンはとても大きな挑戦でした。ここでは英語を流暢にしゃべられることが当たり前で、特に最初の方はコミュニケーションに苦労しましたが、何とか意思疎通を図れるようになりました。英語によるコミュニケーションの上達以外にも、国際機関の仕事や仕組み、途上国の現状など様々なことを学ぶことができ、充実した時間を過ごすことができていると思います。

2018/02/20  国連工業開発機関(UNIDO)

農学生命科学研究科・修士課程1年 岡本 美奈

<派遣先と派遣先機関の簡単な紹介>

私はオーストリア・ウィーンのVIC(Vienna International Center)にあるUNIDO(国連工業開発機関)で2017年9月17日から約半年間インターンシップに参加しています。 私が所属しているTrade Investment and Inovation (TII)の部門では主に発展途上国において持続的な産業開発を支援し輸出を促進させて経済を発展させることを目標に掲げています。私が所属している部署であるStandards and Trade Facilitation (STF) Divisionでは農業と水産、 衣服、革製品と靴、木材 、自動車産業、医薬品、化粧品 等における輸出の際の安全規制や認証基準の調査を行い、政府や公的機関や民間企業に対して指導を行っています。

blog2017_7_Okamoto0_picture2s.pngプロジェクトスタッフ

<インターンシップの内容>

私はSmart Fish Indonesia (Sustainable Market Access through Responsible Trading of Fish in Indonesia) というプロジェクトに関わり、このプロジェクトの対象魚種であるカツオの一本釣り漁業の輸出促進戦略の提案に取り組んでいます。 インドネシアのカツオの一本釣り漁業は歴史的に古くから行われていますが、輸入国の安全規制と品質規制、パッケージ基準が満たせず、需要が見込まれるEU市場において輸出拡大を行うことができないという問題があります。このため、インドネシアの一本釣り漁法によって漁獲されたカツオの輸出を拡大するためにはどのような基準を満たせば輸出拡大することができるのかについて、文献調査だけでなくインドネシア政府の方にインタビュー調査を行って現状を把握するとともに、対EU諸国への規制や基準を満たして輸出を拡大している国々についても調査を行っています。

もう一つ行っているインターン業務としては、プロジェクト分析があります。これはSTFのプロジェクトマネージャーと一対一で話をしながらプロジェクト状況について調査を行うことです。UNIDOで行われているプロジェクトの概要と、それらがSDGsをどれだけ満たしているか、現在のプロジェクトの結果どのような効果が見込まれたのかについて調査し、レポートを書くというものです。私が取り組んでいるプロジェクトとは異なるプロジェクトの分析を行っているので、とても新鮮で面白いです。

blog2017_7_Okamoto1.jpg仕事中の様子(左)

<インターンシップ生活>

私の部署ではインターン生が積極的に交流できるようにほぼ毎週ミーティングが開かれます。そこではディレクターミーティングに参加し、インターン生が日々行っている業務について発表します。自分が発表した際にディレクターから質問が飛んでくるときはとてもヒヤヒヤしますが、同年代のインターン生が関わっているプロジェクトについて詳しく知れるのでとても刺激を受けています。お昼はインターン生と食べながらお昼休みを取ることが私の楽しみです。

また、ウィーンは気軽に芸術に触れることができる機会が多いので休日を有効利用して様々な場所に訪れています。

<おわりに>

今回のインターンシップを通じて、UNIDOの業務・役割について理解を深めることが出来ました。実際にUNIDOで働いている日本人職員の方や年代の近いUNIDO職員の方とお話する機会も多く、将来のキャリア形成についても考えさせられました。 周りのスタッフは殆どが6時までには帰宅しているのをみてワーク・ライフ・バランスが取れている職場で仕事ができるのは素晴らしいことだと思いました。このような貴重な機会を活かしキャリアパス形成に利用したいです。

blog2017_7_Okamoto2.jpgインターンたちとの集合写真

2018/02/13  国際原子力機関(IAEA)

新領域創成科学研究科・修士課程1年 湧川 真広

<機関の紹介>
 IAEA(International Atomic Energy Agency)は、オーストリアの首都ウィーンの北東部にあり、近くにはドナウ川が流れています。UNIDO(United Nations Industrial Development Organization)の建物と隣接しており、非常に巨大な施設となっています。IAEAは原子力に関するエネルギー、安全、医療、食料など様々な分野での仕事を行っています。2005年には原子力エネルギーの平和的利用に対する貢献としてノーベル平和賞を受賞しています。私は、ここで2017年11月6日〜2018年2月2日までインターンシップを行っていました。

blog2017_5_fig1.pngIAEAの建物

blog2017_5_fig2.png職場の様子

<インターンシップの内容>
 私が所属していた原子核科学応用局、物理・化学部、核データ課は、原子核に関する数値データなどを整理し保存するのが主な仕事です。スーパーバイザーの下で、原子力データに関する論文のPDFファイルの収集や論文の数値データでスキャン不可能なものをExcelシートに書き出すといったことを行っていました。自分の専門は原子力の分野ではないのでどこまで役に立てるか不安でしたが、他のコンサルタントも同じような仕事をしていたので彼らの助言を聞きながら徐々に仕事に慣れていきました。またこれらの仕事以外にも、サイバードルフ研究所に見学に行かせていただき、原子力がエネルギーだけでなく、医療分野や生物分野など幅広い分野で利用されていることを目にすることができました。研究所の方々から貴重なお話をたくさんいただき、原子力に関する理解と知識が大きく広がったと感じました。

blog2017_5_fig3.pngサイバードルフ研究所見学

blog2017_5_fig4.pngスーパーバイザーの大塚直彦さんと

<インターンシップ生活>
 同じ部屋にいたブラジル人や隣の部屋にいるインターン生たちと仲良く話をしながら、平日は朝9時から夜6時くらいまで仕事をしていました。また建物の中にフットサルコートがあったのでフットサルをしたり、バーも建物内にあるので金曜の夜はそこでインターン生たちと交流を深めたりしました。他にも町中にはオペラやコンサート会場があり、クリスマスシーズンはクリスマスマーケットがあったり、1月以降は巨大なスケート場ができたりと多くのイベントがありました。仕事だけでなく、私生活も非常に充実した3か月だったと思います。

blog2017_5_fig5.png他のインターン生たちと

<最後に>
 自分は英語力に全く自信がない状態でウィーンに到着しましたが、3か月の間ほとんど英語でコミュニケーションを取っていたことで英語での会話能力が飛躍的に向上したと思います。また、国際機関にはヨーロッパの人だけでなく世界中の様々な国から来た人がいますので、彼らから日本とは全く違う文化、考え方を教わることができました。今後の人生のキャリアを選択する上で大きな助けになっただけでなく、今後の生き方にも大きな影響を受けたと思います。またヨーロッパに長期間滞在することのハードルが、インターンシップに行く以前よりもかなり下がったのも良かった点だと思います。

2018/02/09  国連工業開発機関(UNIDO)

新領域創成科学研究科・修士課程2年 呉 偉峰

<派遣先の紹介>
 私は2017年10月9日から2018年1月21日の日程で、United Nations Industrial Development Organization(国連工業開発機関、UNIDO)の戦略部門でのインターンシップに参加しました。今回の派遣先であるUNIDOは170以上の加盟国との協力で工業化のプロセスを促進し、発展途上国の持続可能な発展戦略の実施を加速することを目指しています。オーストリア・ウィーンに本部を置き、国連システムの専門機関の一つです。Vienna International Centre(VIC)にはウィーンの国連事務所があり、UNIDO以外、国際原子力機関(IAEA)などの国連機関の本部もあり、国連の四つの都市の一つになっています。

blog2017_11_UNIDO呉1s.png図1 VICのロタンダ

<インターンシップの内容>
 私は今回UNIDOのOffice of Strategic Planning and Coordination(SPC)という戦略部門に所属しましたが、他の部門のように現場や具体的なプロジェクトに取り組むわけではなく、UNIDOの全体像を把握し、戦略を考える必要があります。私はインターンシップの中では、UNIDOのSPCとOpen Dataに関する資料を勉強するだけでなく、General Conference(GC)やRetreatなどのイベントの開催の手伝いも行いました。

blog2017_11_UNIDO呉2s.jpg図2 第17回GCのIndustrial 4.0会議

 大きな業務としては、主に二つがありました。一つはMiddle-Income Countries(MIC)問題です。今後UNIDOはどのようにMICに支援を提供するのかという課題でした。この問題を解決するために、私は国際連合食糧農業機関(FAO)や世界保健機関(WHO)などの他の機関の資料を収集し、諸国の具体例も参照し、問題点と解決策を纏めて、自分の提案を作成しました。
 もう一つは産業データの収集です。私は主に24カ国国(ほぼ先進国)のデータを収集し図表に纏めました。部門のスタッフに報告し、コメントやアドバイスを受けました。私はこの仕事を通じて、世界の国々における産業の違いを理解することができました。

blog2017_11_UNIDO呉3s.jpg図3 仕事中の様子

<インターンシップの生活>
 インターンシップ期間中、私にとって思い出に残る多彩な活動やイベントがたくさんありました。第17回GC、TEDx、国連国際バザー、クリスマスパーティー、様々な国の文化祭などに参加することで多文化を体験することができ、私の人生経験を豊かにすることができたと思います。VICだけでなく、ウィーンは世界的に有名な芸術都市として、世界レベルの博物館や美術館なども充実していて、ヨーロッパの文化、特にクリスマスの魅力も満喫することができました。
 他のインターン生とのコミュニケーションも非常に貴重な経験でした。コミュニケーションを通じて、友達を作り、異文化に触れることができました。同時に、私のオフィスの皆さんともよく食事やホームパーティーをして、家のように暖かく感じました。

blog2017_11_UNIDO呉4s.png図4 部門のホームパーティー

<終わりに>
 私は最初、国際的持続可能な開発を理解して、理論と実践を融合するために、インターンシップに応募しました。今回UNIDOでのインターンシップを通じて、この目標が実現しただけでなく、特にSPCのような部門で戦略に関する業務と接触することにより、トップ層の視点から思考でき、UNIDOのみならず、他の国際機関への理解も深めることができたため、将来のキャリア形成にも役立ったと思っています。一方、UNIDOやウィーンでの生活の中で得られた知識、仕事の中で得られた有益な情報、及び他の国々の友人や異文化への接触は、私の未来の人生にとって非常に貴重な宝物になると信じています。

2018/02/08  東南アジア漁業開発センター(SEAFDEC)

農学生命科学研究科・修士課程1年 安原 正尭

<派遣先と派遣先の簡単な紹介>
 私は12月からタイにある東南アジア漁業開発センター(Southeast Asian Fisheries Development Center - SEAFDEC)で3か月のインターンシップを行っています。SEAFDECにはバンコクにある事務局とその他5つの技術局、Training Department (TD)、Marine Fisheries Research Department (MFRD)、Aquaculture Department (AQD)、Marine Fishery Resources Development and Management Department (MFRDMD)、Inland Fishery Resources Development and Management Department (IFRDMD)があり、私はバンコクから車で1時間ほど南下したサムットプラカーン県に位置するTraining Department (以下、TD)でインターンシップ生活を送っています。
 SEAFDECは東南アジアにおける食糧の安定供給と安全性の向上を目的として漁業の技術振興を行っている国際機関です。私の派遣先のTDは持続可能な漁業資源の利用のための漁業資源管理や技術開発を行っています。


1_SEAFDEC TD外観.jpg図1:SEAFDEC TDの外観

<インターンシップの内容>
 私は昨年SEAFDECへインターンシップに行かれた方と同じ、"コミュニティーベース/政府と共同で漁獲管理をし、漁獲情報の収集を促進する"というプロジェクトを行っているチームに配属されました。東南アジアでは小規模漁業を行っている場所が多く、日本の漁協のような共同体のシステムを持っているところも少ないため、現状では漁獲量や漁法についてほとんど規制がなく魚を取り放題にしている場所が多くあります。獲っている魚種も様々であるため、漁業資源の状況もきちんと管理できていない場合が多いです。
 SEAFDECの目的である東南アジア地域の食糧の安定供給と安全性の向上のためには漁業資源保全が重要です。私たちのチームはその前段階として漁業者たちの漁業資源管理コミュニティー(Fisheries Management Community : FMC)を作り、地方自治体と協力して漁獲情報の収集を行っています。また、持続可能な資源利用のための禁漁区や禁漁期、禁止漁具の設定や、貧困地区への漁獲物の加工技術の導入も行っています。
 私はこのインターンシップ中、いくつかの出張に同行させていただき、東南アジアの漁村というものを実際に見る機会をいただきました。都市部との貧困の差というものがとても大きく感じられる一方、SEAFDECの開催するワークショップに参加する漁業者の方たちは生活の改善のためにとても熱心に活動に参加していることを感じました。

2_タイ北部の漁業者の方達と.jpg図2:タイ北東部の漁業者の方達と

<インターンシップ生活>
 私は普段、バンコク中心部からは離れたSEAFDEC TDの寮で生活しています。こちらには日本人はほとんどおらず、タイ人に囲まれているため最初は文化の違いに戸惑うことも多くありました。しかし、職員の方達がとても優しく親切なため、すぐに慣れて楽しく生活することができています。クリスマスパーティーやSEAFDEC開局50周年パーティー、こどもの日のイベントなどいくつかのイベントにも参加させていただきました。

3_SEAFDEC50周年パーティー2.jpg図3:SEAFDEC開局50周年パーティーにて

 また、多くの出張の機会を与えていただいたためタイ国内外の色々な場所を見る経験ができ、東南アジアと一口に言っても気候や都市の発展度合い、文化の違いなどがかなりあることも体感できました。
今回は私にとって初めての海外長期滞在で来る前は不安もありましたが、とても良い環境に恵まれて充実したインターンシップ生活を送ることができています。

<おわりに>
 今回このインターンシップで国際機関の仕事というものを体験できたことは、今後の進路選択に向けてとても有意義であったと感じています。このような仕事における英語を話せることや国や地域によって異なる文化、歴史、言語への理解の重要性というものを強く感じました。特に自分の英語力に関してはもどかしさを覚えることが多々ありました。
 また、私がこのインターンシップに参加した理由は今までの人生経験不足を感じたためでしたが、このように日本の大学生活とは全く異なる環境の中に自分を放り込めたことは今後の進路選択のみならず人生において必ず大切な経験として生きてくると思っています。
 今回お世話になった方々への感謝の思いを持って、今後ここで得られた経験を活かし、伝えていけるよう努力していきたいと思います。

2018/02/07  国際連合工業開発機関(UNIDO)

農学生命科学研究科・修士課程1年 髙井 恵

オーストリアの首都ウィーンのドナウ川沿いに、Vienna International Centre (VIC)があります。そこには8つの国際機関が集まっており、ニューヨーク、ジュネーブとナイロビと並び、国連機関の最も重要な場所の一つとして知られています。現在、私はその中のUnited Nations Industrial Development Organization (UNIDO)という国際連合工業開発機構で2017年9月17日より半年間のインターンをしています。UNIDOは発展途上国に対して包摂的で持続可能な産業発展を促進し、これらの国が持続的な経済発展を行っていくための支援に携わっています。

髙井1s.jpg【図1.夜のVICにて】

<インターンの内容>
 UNIDOの中でも、環境部門にあるIndustrial Resource Efficiency Divisionに所属しており、スーパーバイザーの下でサーキュラーエコノミー(CE)に関するイベントの主催、レポートを手掛けるというのが業務内容です。CEとは、原材料に依存せず、既存商品の寿命をできるだけ長く設計し、繰り返し循環利用することで無駄を生むことなく、環境保護と経済発展の両方を目指すという概念です。近年世界的に注目されつつある概念であり、UNIDOとしては、成功事例が多くなく、まだまだ知られていないこの概念を先進国と発展途上国と共に推進していくのが狙いです。
 その取り組み方法の一つとして国際会議が挙げられます。私はインターン中に、実際に2つの国際会議に関わることができました。1つ目は、スロバキア政府と協力し、2日間にわたり自動車産業におけるCEに関する国際会議を開きました。特に車産業に力を入れている国から政治家、プライベートセクター、研究者等が来ており、全部で9セッション開かれ、30人以上が講演する会議となりました。2つ目は、UNIDO総会のサイドイベントとして開いたTEDx Talkで、UNIDOで初めてTEDとのコラボレーションが実現し、UNIDOの事務局長、EU連盟環境部門事務局長と他6人のスピーカーがスピーチをし、各国から400人以上の参加者が参加するイベントを開くことができました。私はこれらのイベントにおいて、会議の議事録、ウェブサイトのフライヤー、イベント資料の作成などの業務を担当しました。


髙井2s.jpg【図2.General Conferenceの打ち合わせのオフィスにて】


髙井3s.jpg【図3.TEDx Talkイベントのステージにて】

 また、もう一つインターン中に行っている業務として、日本のCEについてレポートを書くことです。2001年に施行された循環型社会形成促進基本法循環型社会や3Rをはじめるとする取り組みは、CEの魁の取り組みであると国際的に認識されており、今実際に日本のなかで循環社会に向けてどういったことが行われているのかを世界的に知ってもらうために、日本語がわかる私にまとめて欲しいということでした。以前経産省でリサイクル法に携わった方がUNIDOにいると聞き、その方にアポイントを取って話を聞くなどして、レポートに取り組んでいます。
 以上が、私がインターンで行っている内容となります。そのほかにもUNIDOで勤務している日本人スタッフと他のDivisionでCEに携わっている人とお話をする機会を作ったり、参加自由の国連会議に出席したりしました。


髙井4s.jpg【図4.アフリカ最年少ノーベル平和賞受賞者のトーク会議にて】

<インターンシップの生活>
 ウィーンはヨーロッパ有数の世界都市であり、歴史のある街でもあります。交通面では大変発達しており、地下鉄、トラム、バスなどの交通手段があり、金曜や土曜には終電がないなどほとんど不便に感じることはなく、充実した日々を送ることができます。平日はおおよそ8-17時で勤務し、仕事終わりと休日にオペラ、クリスマスマーケットへ行ったり、博物館、美術館、教会、王宮等を回ったりすることができるのがウィーンにいる醍醐味だと思います。また、昼食は基本VICの中のレストランで取り、夕食は毎週世界中から来たインターン生と外で食べたり、ホームパーティーをしたりして過ごしています。


髙井5s2.jpg【図5.VIC全体のインターン生の集まりにて(筆者は右端)】

<感じたこと>
 以前から国連で仕事をすることで、国際社会に何か貢献をしたいと思っていたので、今回海洋アライアンスを通してインターンとして実際に国連で働けて良かったと思います。最も大変だったのは、職務経験もなく、言語力も比較的に低く、競争力がありかつ異文化しかない空間の中でいかにチームとうまく仕事をしていくことだと思います。最初は自分を見失うことがあり、つらい時期もありました。しかし、真っ向勝負だと勝てないことでも自分の得意分野を生かすことによって存在感を示すことはできると学んだことは自分にとって大きな学びとなりました。想像と違っていることは多々ありますが、国際機関の求める人間像とはどういうものか、国連で働くとはどういうことか、国連の位置づけについて改めて知り、その中で自分はどのようにして国際社会に貢献したいかという方法について考えさせられました。

2018/02/05  国際海事機関(IMO)

公共政策大学院・専門職学位課程2年 奈良崎 翔太

<派遣先と派遣先機関の紹介>
 私は、国際海事機関(International Maritime Organization、以下IMO)でエクスターンシップに2017年10月5日~12月24日の日程で参加しました。IMOは、海上の安全、船舶からの海洋汚染防止等、海事分野の諸問題についての政府間の協力を推進するために1958年に設立された国連の専門機関です。本部はイギリスのロンドンに所在し、2017年12月時点で172カ国が加盟国、3の地域が準加盟国となっています。


2017奈良崎_IMO_1.jpg【写真1:IMOの外観】

 今回、私が参加したエクスターンシップは、通常IMOで行なわれているインターンシップ(IMO内の図書館で行われる主に研究を目的としたもの)とは異なり、IMO事務局の法務部(Legal Affairs Office)において、職員の指示の下で実際の業務に携わることが出来るものです。就業経験を得ることを目的としたプログラムであるため、私も実際に様々なプロジェクトに携わる機会を得ることが出来ました。

<エクスターンシップで取り組んだ内容>
 エクスターンシップでは、主に以下の二つプロジェクトに取り組むことが出来ました。最初に取り組んだプロジェクトは、海賊や海上武装強盗などの海洋安全保障問題に対するIMOの役割を調査及び分析する業務で、各種の決議や会議録などを参照しながら、関連する条約や行動指針におけるIMOの役割について法的な分析を行いました。作成した資料の一部は、所属していた法律渉外部の部長と事務局長の会議でも使用される予定のものであったため、緊張感とやりがいを感じながら業務に携わることが出来ました。
 次に取り組むことになったのは、法務部職員が各締約国に対して行う技術支援の文脈で必要となる条約のトレーニングパッケージを作成するというプロジェクトでした。特に私が携わる機会をいただいたのが、IMOの民事責任に関する諸条約についてのトレーニングパッケージ作成でした。こうしたプロジェクトへの参加は、国際機関が各国政府対して行う技術支援についての理解を深める良い機会となりました。 
 私がエクスターンシップに参加していた期間中、IMOの理事会(11月23日、24日、12月7日)、総会(11月27日から12月6日)が開催されていたため、上記二つのプロジェクトに加えて、これらの会議に付随して発生する臨時の調査業務などにも携わる機会をいただきました。

2017奈良崎_IMO_2.jpg【写真2:法務部職員の方々と】

<エクスターンシップ生活>
 エクスターンシップ期間中は、IMOの理事会、総会、ロンドン条約/議定書の締約国会合など様々な国際会議が開催されており、実際に会議を見学することも出来ました。こうした国際会議に日本政府代表団としていらっしゃっている方々のお話を伺う機会などもあり、大変貴重な機会となりました。また、IMOで勤務していらっしゃる日本人職員の方々から国際機関における業務についてお話を伺うことも出来、将来のキャリアを考える機会にもなりました。
 私と同時期にエクスターンシップやインターンシップに参加していた学生と交流することも出来ました。昼休みのランチや業務終了後の飲み会などで交流を深めることが出来、他の国の文化や政治について理解する機会になりました。
 12月末には、IMOでクリスマスパーティーなども開催され、楽しい時間を過ごすことが出来ました。エクスターンシップにおいては、法務部の職員の方々からの丁寧な指導・サポートをいただき、充実した時間となりました。

2017奈良崎_IMO_3.jpg【写真3:法務部クリスマスランチにて】

 休日には、社会勉強も兼ねてイギリスの様々なエリアを観光しました。特に、ロンドンからは列車で様々な観光地に比較的簡単にアクセスが出来たため、日帰り旅行でも十分楽しむことが出来ました。

<おわりに>
 今回のエクスターンシップを通じて、国際機関の業務・役割について理解を深めることが出来ました。特に、様々な国際会議を国際機関の事務局から見ることが出来、こうした国際会議に際して国際機関の事務局と各国政府がどのように働きかけを行い、そこにどのような役割分担が存在するのかについて学ぶ貴重な機会となりました。エクスターンシップ期間中は、一つのプロジェクトに限らず、多くのプロジェクトに携わるチャンスをいただき、IMOの業務を様々な角度から見ることが出来ました。今回の貴重な機会から学んだことを心に刻み、今後のキャリア形成に生かしていくことが出来るよう、努力を続けていきたいと思います。

2018/02/05  国際津波情報センター(ITIC)

公共政策大学院・専門職学位課程2年 佐々木 京花

<派遣先と派遣先機関の簡単な紹介>
 国連ユネスコ(the United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization)の政府間海洋学委員会(Intergovernmental Oceanographic Commission)・国際津波情報センターで、2017年6月20日~8月25日の日程で、インターンシップを行いました。アメリカのハワイ州ホノルルに所在する政府間海洋学委員会(The Intergovernmental Oceanographic Commission)の下部機関です。 政府間海洋学委員会(IOC)は、ユネスコ内に機能的に独立性を有する組織として1960年に設立され、国連における唯一の機関として、世界の海洋に関する調査、観測、データ交換、途上国支援等について、政府間の協力や企画、調整等をおこなっています。特に、2004年インド洋の大津波以降は、津波及び海洋災害の防止、軽減策への取り組みが重要なプログラムの一つになり、津波早期警戒・減災システムの構築を進めています。現在、142ヶ国が加盟しています。国際津波情報センター(ITIC)は、太平洋及びその他の海洋における各国の国際津波警報活動の監視と改善のための助言を行っています。

<インターンシップで取り組んだ内容>
世界における津波啓蒙活動プログラム
 津波警報が効率よく利用され、人命を守るためには、地震発生直後、いち早く津波警報を出せるシステムが必要です。そして、その警報システムを通して津波の危険地にいる人達に、いかに早く伝え、その人達が、正しく避難行動を取れるような、津波に対するより総合的な政策を作ることが重要です。インターンシップでは、まずアメリカの防災担当機関、教育機関を実際に訪問し、津波警報システムの在り方について各ステークス・ホルダーが具体的にどのようなことを行っているのか考察しました。また、ハワイ州防災局・ハワイ大学海洋地球科学技術学部を訪問し、ハワイにおいて津波対策に先進的かつ積極的に取り組んでいる関係機関の方々と意見交換する機会もあります。メインで行っったこととして、米国気象局太平洋津波警報センター(Pacific Tsunami Warning Center, PTWC)と共同で、世界における津波啓蒙活動プログラムを進めました。
太平洋津波警報センター(以下、PTWC)は、アメリカ海洋大気庁(NOAA)がハワイ州のオアフ島で運用している津波警報システムの中核となる機関です。ITICとPTWCが共同で、ハワイ国内外に向けて地震・津波に関する教育活動を行なっています。個人の研究としては、このインターシップを通して、アメリカと日本の行政の防災対策、住民の防災行動促進等に関する政策、対策の現状、方向性、成果等について分析しました。
 ハワイに住む地元住民の皆さんを対象に、月に一回アメリカの防災機関が協力して、Emergency Workshopを開催されており、それにも参加しました。

2017佐々木_図2.png

 このworkshopは、人々に地震や津波などの災害に対して、どのように備えていればよいか知ってもらうために、各機関のエキスパートが集結して行っているものです。人々に津波について説明するにあたって、「津波ってそもそも何?」「津波はどうやって起こるの?」という質問から始まります。この時、2011年の東北で起きた大津波の映像を流すと、人々の目の色が一気に変わり、津波の恐ろしさを目の前にして、津波に対する関心が一気に高まるのが分かります。

2017佐々木_図3.png この活動の際、私自身「津波」そのものについて人々に聞かれたとき、どう答えていいのか分からないことがありました。津波のことについて知ってもらう活動を始めるには、まず自分が津波に関する専門的な知識や歴史的背景について学ぶ必要があると考えました。そこで私の上司であるLaura Kong博士に相談し、通常の業務が終わったあとに、彼女から津波の基礎理論に関するレクチャーをして頂いたり、一緒に働いている研究者の方々から応用解析技術、さらに津波防災軽減のための技術について専門的に学ぶ機会をいただきました。


<インターンシップ生活>
 私は今までヨーロッパに留学した経験がありましたが、ハワイに来たことがなく、色々なことが人生初の経験でした。ハワイはとても自然が豊かで、カメやイルカに出会える時もあります。
 生活面では、日本語で対応してくれるお店が多数あり、日本語を話せる方もいるので、言語面では困らないと思います。食事に関しては、日本食のお店もとても多く、ハワイの方は炊飯器でご飯を炊いたり、普段からお箸を使って食事をされたりすることを知り、日本との繋がりを実感しました。ハワイの方はとてもフレンドリーな方が多く、すぐにたくさんの友人ができました。日々皆さんの親切な心に支えられて、楽しく生活することができました。

2017佐々木_図4.jpg<おわりに>
 将来起こる可能性のある津波被害から、これからどのように人々の生命を守っていくのかは、長期にわたって考えていくべき最大の課題ではないかと思います。津波警報システムが技術的進歩が果たせたとしても、その成果が実際の防災政策に還元されなければ意味がありません。他方では、人々が過去に起こった津波被害を忘れるのは早いと思います。それには、定期的に津波について知って、津波が起こる危険性について気づいてもらう取り組みが重要だと心から実感しています。国際機関とアメリカ気象庁の下でのインターンシップを通して私は、防災機関、教育機関、メディア、自治体が協力して、学校・職場、各家庭で津波防災対策について関心を持ち続けるように、繰り返し定期的に啓蒙活動実施することが重要なことだと実感しました。
 世界の津波防災活動に貢献することが、2011年の大震災を経験した私の責務だと確信し、これからも頑張っていこうと思います。

2018/02/05  メリーランド大学 環境科学センター チェサピーク海洋生物学研究所(UMCES CBL)

新領域創成科学研究科・博士課程1年 荒井 考磨

【派遣先と受入れ研究者の紹介】
私は、メリーランド大学 環境科学センター チェサピーク海洋生物学研究所(以下、CBL:Chesapeake Biological Laboratory)にて、2017年8月31日~11月1日の約2ヶ月間のインターンシップを行いました。CBLは1925年に設立されたアメリカ東海岸最古の海洋生物学研究所であり、世界最大級の河口域であるチェサピーク湾のソロモンズという小さな村に位置します。所内には教員28名を含む約100名が在籍しており、水産科学から環境化学までの幅広い研究を行っています。受入れ研究者のDavid H. Secor教授は魚類の回遊生態研究において世界的に優れた研究を進めています。チェサピーク湾内に生息するホワイトパーチ(Morone americana)やストライプドバス(Morone saxatilis)を対象とした研究だけでなく、大西洋に広く分布し、大規模な回遊行動を示すタイセイヨウサバ(Scomber scombrus)やタイセイヨウクロマグロ(Thunnus thynnus)を対象とした国際的な共同研究も広く展開されています。最近では、アメリカ東海岸における資源量が激減しているタイセイヨウチョウザメ(Acipenser oxyrhynchus)の保全研究にも力を注いでいらっしゃいます。


2017_荒井_図1.png図1.CBLのリサーチピアとパタクセント川

【インターンシップの内容】
世界の水産科学分野を牽引する研究が生み出される刺激的な環境を肌で感じ、豊富かつ最新鋭の研究経験を得ることに加え、CBLに在籍する数多くの一流研究者との連携を築き上げることを目的として、本インターンシップをスタートしました
インターンシップ前半にはタイセイヨウチョウザメの産卵回遊行動を調べる野外調査に携わりました。本種の産卵回遊行動を超音波バイオテレメトリーという手法を用いて把握することに加え、産卵の有無を確認するため、卵仔稚魚の採集も試みました。残念ながら、調査中に本種の卵仔稚魚を採集することはできませんでしたが、超音波バイオテレメトリーによって得られた膨大なデータを統計学的に解析する手法を学ぶことができました。
大西洋においてイルカの分布を調べる研究航海にも参加しました。イルカの分布や来遊時期を調べるためには、イルカが餌を探す際に発するクリック音を長期間記録する「C-POD」と呼ばれる海中センサーを用います。このC-PODの回収・新規投入作業を小型調査船のR/V Rachel Carsonを用いて2日間にわたり実施しました。外洋域の調査に不慣れな私にとっては多少辛い作業内容でしたが、海棲ほ乳類や外洋域における調査経験を得られたのが私自身にとって大きな収穫となりました。
実習後半にはラボ内における作業が多く、タイセイヨウクロマグロの耳石を用いた日齢解析手法を耳石研究の第一人者であるSecor教授から直接伝授していただきました。また、タイセイヨウサバの耳石酸素安定同位体比の分析作業にも参加させてもらいました。意外にも、実験器具はどれも古く、研究所内の研究者が共同で利用するものが多いのが印象的でした。


2017_荒井_図2.png図2.タイセイヨウチョウザメの産卵回遊行動調査中

【キャンパス内における一週間のスケジュール】
(月)無料で提供されるベーグルを食べながら歓談する「ベーグルマンデー」が午前中に開催されます。CBL関係者なら誰でも参加が可能であり、他研究室の教員や学生と親交を深める目的で開催されています。
(火)「一般市民向けセミナー」が19時から開催されます。講師はCBL内の教員が務め、チェサピーク湾内に関する研究を中心に基礎から専門的な内容までを幅広く扱います。平日の19時という時間帯にも関わらず、毎回100人以上の方が参加され、会場は常に満席です。
(水)アメリカ海洋大気局(NOAA)等の学外研究機関から講師を招待し、1時間半程度の講演を行ってもらう「CBLセミナー」が15時から開催されます。海洋に関する専門性の高い講演をCBL関係者であれば誰でも無料で聴講することができます。昼食時には無料ピザが振舞われ、招待講師と学生が研究や進路について議論する場が設けられます。
(木)昼食時に「ブラウンバッグセミナー」が開催されます。本セミナーは、学会や学位審査を控える学生が発表練習の場として開催され、昼食を食べながら研究発表を行う比較的フランクなセミナーです。
(金)Secor研究室では、研究所の目の前を流れるパタクセント川の河口域において「地引網調査(Seine Survey)」を毎週金曜日の干潮時に行っています。約20 mほどの小型地引網を二人掛かりで曳き、採集された生物の種査定を行ったのち、種ごとの体長および個体数を調べます。本調査は1999年以来18年間毎週行われており、生物データが極めて豊富に蓄積されています。本調査への参加を通じて、「同じ場所を、長期間見続けること」の重要性を改めて知ることができました。調査終了後の17時からは「ハッピーアワー」が開催され、CBLの学生や教員が近くのバーでビールを飲みながら交流します。

2017_荒井_図3.png図3.毎週金曜日に行われる地引網調査の様子
2017_荒井_図4.png図4.週末訪れたニューヨークのタイムズスクエア

【おわりに】
研究所内での共同研究が盛んに行われていることがとても印象的でした。週3回のセミナーに加え、「ベーグルマンデー」や「ハッピーアワー」など、研究者同士が活発に議論し、意見交換する場が数多く存在することが新たな共同研究を生み出しているように感じました。また、CBLではその立地を活かし、長年にわたり生物・環境データを取得し続けています。CBLに在籍する研究者の数は決して多くなく、必ずしも最新の実験器具も揃っているわけでもありません。しかし、研究者同士の交流の場と豊富なデータ量が世界をリードする研究を生み出す環境を作り上げているのかもしれません。


2017_荒井_図5.png図5.ラボメンバーとの集合写真

2017/12/12  アメリカ海洋大気庁/漁業局南西部漁業科学センター(NOAA SWFSC)

農学生命科学研究科・修士課程1年 郭 晨穎(Guo Chenying)

1) Brief Introduction of NOAA SWFSC
NOAA Fisheries Service's Southwest Fisheries Science Center (SWFSC) is located at the coastline of La Jolla, San Diego, the state of California. SWFSC is one of the American scientific agency within the United States Department of Commerce, focusing on the leading-edge scientific research to support the management and conservation of domestic and international living marine resources in the California Current, throughout the Pacific Ocean and in the Southern Ocean off Antarctica. Since the establishment in 1964, Center scientists of SWFSC conduct marine biological, economic and oceanographic research, observations and monitoring of living marine resources and their environment. The scientists also conduct research on the impacts of environmental variability and climate change on marine ecosystems and on fishery and conservation socio-economics.

アメリカ海洋大気庁漁業局南西部漁業科学センター(NOAA SWFSC)は太平洋側のカリフォルニア州サンディエゴにあるアメリカ合衆国商務省の機関の一つで、アメリカ合衆国太平洋側のEEZ (排他的経済水域) 内および太平洋全域、南大洋における海洋生物資源の管理および保護を主な業務としています。1964年の設立以来、センターに務めている研究者たちは、海洋に関する物理、化学、生物、経済などの研究に取り組んでいます。それ以外、環境動態変動による影響と気候変動が海洋生態系、漁業、社会経済の維持に与える影響について研究が行われています。


blog_Gu2_fig1.pngFig.1 NOAA Fisheries Service's Southwest Fisheries Science Center (SWFSC)


2) Work in SWFSC
During the stay in SWFSC from Jan 29th to Mar 19th in 2017, I mainly focused on continuing my own research about chub mackerel, a small pelagic fish that widely distributed in the coastal area of the Pacific Ocean. The work could be divided into 4 parts: 1) analyzing growth data collected from previous laboratory experiments and comparing the results with the growth characteristic from the western stock of chub mackerel. 2) learning how to collect and rear chub mackerel under the laboratory condition, including daily feeding and lighting controlling; 3) designing swimming bioenergetics experiments in using swim tunnel respirometers to study Pacific mackerel respirometry and its relationship with swimming speed and fish size; 4) developing a long-term research project to survey both sides of the Pacific Ocean toward elucidating factors that control the productivity and dynamics of Pacific mackerel.

2017年1月29日から3月19日までSWFSCにおけるインターンシップ中に、私は主に自分の研究対象であるマサバ(世界中の沿岸域に広く分布している小型浮魚類の一つ)を中心に研究に取り込んでいました。 研究内容は4つに分けられます。(1)成長実験などのデータ解析し、カリフォルニア海域のマサバの生物エネルギー学的パラメータを日本近海のものと比較しました。(2)マサバのサンプリングと毎日の給餌、光条件コントロールを含む室内飼育実験を実施しました。(3)遊泳水槽を用いてマサバ呼吸量測定実験を実施し、マサバ呼吸量の水温、体重、遊泳速度依存性を明らかにしました。(4)太平洋全体のマサバの成長と資源変動に関する影響要因について長期研究を組み立てました。

Besides my own research, I also engaged in the training of processing biological samples, such as the method of deploying medicine to narcotize fish, size measurement, otolith (a calcium carbonate structure in the saccule or utricle of the inner ear) and gonad extraction using the reared sardine. I also took part in yellowtail sampling process. We sampled some yellowtails to take two different kinds of muscle tissue for genetic kinematics analysis.
Since NOAA SWFSC not only focus on the scientific research but also fisheries management, I had the opportunities to attend the Pacific fishery management council meeting about the latest 2017 Stock Assessment and Fishery Evaluation (SAFE) Report of Pacific sardine (Sardinops sagax). Contributors reported their research results briefly and were open to comments and questions.
自分の研究内容以外、マイワシ産卵実験とほかの実験訓練に参加しました。マイワシの実験には、麻酔剤の調合、サイズ測定、耳石(脊椎動物の内耳にある炭酸カルシウムの結晶からなる組織)と生殖腺の抽出について学びました。Yellowtailのサンプリングも参加させていただきました。ゲノムレベルの分析のため2つ種類の筋肉を取って保存しました。
NOAA SWFSCは科学研究だけではなく漁業管理にも関わっているので、2017年マイワシの資源と漁業評価レポートをテーマとして開催されたPacific fishery management council meetingに参加する機会をいただきました。専門家たちはレポートの内容を報告し、コメントや質問を受けていました。


blog_Gu2_fig2.pngFig. 2 Sampling and measuring


3) Life in San Diego
Because of the extremely strict security System,I did not receive the key card to enter the building, which kept me away from overwork and enable me to enjoy the colorful life at the weekend. Known for its mild year-round climate, natural deep-water harbor, extensive beaches, long association with the United States Navy, San Diego is an attractive city for tourists.
NOAA SWFSCはアメリカの政府機関であり、セキュリティがとても厳しかったので、滞在期間中はカードキーを持たないのままでインターンシップを行っていました。しかしそのおかげで、実習時間内の作業効率の向上と週末の休憩をとることができました。San Diegoは年間を通して温和な気候であり海沿いのきれいな景色が有名で、観光客にとってもとても魅力的な街だと思います。

During my stay, my colleagues brought me to many famous spots such as the San Diego Zoo, Balboa Park and Birth aquarium. Because they had the membership, I visited there without the cost and even enjoyed the backstage tour of Aquarium! They also brought to many restaurants and treated me at their home. Thanks to that, I tried many kinds of delicious foods from classic American burger to special Mexican taco and burrito.

滞在期間中、SWFSCの方たちがSan Diego動物園,、Balboa公園、Birth 水族館などいろんなところに連れていってくださいました。その方たちはメンバーシップであるので、無料で入園できてしかも水族館内部の見学もすることができました。いろいろな店に連れていってもらったほか、自宅にも招待してくださいました。そのお陰で、アメリカ風バーガーからメキシコ料理までいろんな美味しい料理を食べました。


blog_Gu2_fig3.pngFig 3. Farewell lunch with my nice colleagues.


Besides touring, doing sports such as hiking, cycling and taking a self-defense class with my colleagues also made an important part of my internship life. As the birthplace of modern triathlon, local people love multiple sports, creating the positive atmosphere of sports and adventures. Therefore, I chose to commute by bike instead of the bus, and gained a lot of fun and the sense of achievement when I climbed over the hills.

観光以外にも、SWFSCの人とハイキングやサイクリング、自衛術の勉強などを行いましたが、インターンシップ生活の重要な一部となっています。現代トライアスロンの発祥の地であることもあり、地元の人はいろんな運動に積極的に取り組む雰囲気があります。したがって、私はバスの代わりに自転車通勤にしましたし、ヒルクライム時にも挑戦して達成感を得ることができました。


blog_Gu2_fig4.pngFig 4 Cycling at the weekend.


4) Impression of the internship
As the first and the only exchange student in NOAA SWFSC, I didn't have a chance to communicate with any other peer. However, from another perspective,the scientists I worked with were much experienced and excellent than me so I learned not only the knowledge related to my research but also many life lessons. All of my colleagues were very friendly and warm-hearted, helped me and encouraged me a lot through all the time. '' When I was a poor and starving student, I received a lot from my adviser and seniors. What I do for you is just pass this kindness, help you go through this hard period. When you grow up and become stronger and experienced, please lend a hand to the one that needs help and guidance as you right now''.
NOAA SWFSCの初めての交換留学の学生なので、ほかの同年代のインターン生との交流はできませんでしたが、逆に一緒に働いている研究者は皆自分より遥かに優秀で経験豊富なので、知識だけではなく人生経験もたくさん聞くことができました。SWFSCの皆さんは全員熱心で親切で、いつも私を助けて励ましてくれました。「昔私が貧乏な学生だったとき、先生や先輩たちがいろいろ助けられました。今私がしているのはただその好意をわたしているだけです。いつか君が十分成長したならばら、今の君みたいな人を助けてあげてください。」
Therefore, the only thing I can do is working hard with gratitude. Hope one day I could be a person who can help others, just as how they helped me.
したがって、私ができるのはただ感謝の気持ちを抱いて努力することだけです。いつかあの人たちと同じ、他の人に助けられる人になるように。


blog_Gu2_fig5.pngFig 5. The view of La Jolla cove from the roof of SWFSC.

2017/03/17  東南アジア漁業開発センター(SEAFDEC)

農学生命科学研究科・修士課程1年 片岡優理

<派遣先と派遣先機関の簡単な紹介>

SEAFDECとは?

 私は、東南アジア漁業開発センター(以下、SEAFDEC : Southeast Asian Fisheries Development Center)にてインターンシップを行っています。SEAFDECは1967年に、東南アジア各国に水産資源の開発・管理・持続的な利用方法を教育し、食物の安定的供給を可能にすること、また新たな技術・情報の提供により、貧困を緩和することを目指し、設立されました。現在、東南アジア10カ国と日本が加盟しており、タイのバンコクにある本部と、他5つの技術局:タイの訓練局(TD : Training Department)、シンガポールの水産資源研究局(MFRD : Marine Fisheries Research Department)、フィリピンの水産養殖局(AQD : Aquaculture Department)、マレーシアの海洋水産資源開発管理局(MFRDMD : Marine Fishery Resources Development and Management Department)、インドネシアの内陸水産資源開発管理局(IFRDMD : Inland Fishery Resource Development and Management Department)から成っています。

 そのうち、私の派遣先である訓練局(以下、TD)は、タイのバンコクから車で南に約1時間、チャオプラヤ川の河口付近に位置しています。1970年に、漁獲技術の開発と漁業関係者への教育等を目的に設立され、現在でもASEAN各国への最新漁獲技術の普及、TDで学生を受け入れて漁業関係者の育成などを行っています。またその活動資金の大半は、日本の援助で賄われています。

2016_10_SEAFDEC_fig1.png図1.SEAFDEC TDの外観.

<インターンシップで取り組んでいる内容>

政府主体の漁業管理から、コミュニティーベースへ

 私は、"コミュニティーベース/政府と共同で漁獲管理をし、漁獲情報の収集を促進する"プロジェクトを行っているチームに配属されました。SEAFDEC発足当初からの目的である、食物の安定的供給を実現するためには、各コミュニティーの漁獲を適切に管理し、正確な情報を収集することが必要です。しかし東南アジアでは、個人や小規模な団体が、多様な漁法で、多種を漁獲するのが主であり、誰がどこで何をどうやってどれぐらい漁獲したのかを把握するのが、現状極めて困難です。また、個人や小規模な団体として活動している分、個々の知識や技量、道具まかせの漁法であり、時代・環境変化への対応が遅れる、ルールを遵守しない、個々の権力が小さいなどの問題があります。

 そこで、このプロジェクトでは、政府主体からコミュニティーベースへと漁獲管理を移行し、それまでの個人や小規模団体にコミュニティーという自治組織をもたせることで、現場の声を政策に活かしやすくすると共に、正確な漁獲情報の収集を促進することを目的としています。また、コミュニティーと政府が共同で漁獲管理をすることで、そのコミュニティーの求める政策の実施、政府から技術や資金の受け渡しが行い易くなります。このプロジェクトの中でSEAFDECは、各国政府関係者、コミュニティー代表者、漁業者に向けた漁獲管理手法の教育と、技術の普及、必要に応じた活動資金投入の役割を担っています。

 インターンシップではタイ国外や国内の出張に同行させていただきましたが、カンボジアのシェムリアップにあるプロジェクトサイトのコミュニティーへ出張についてここでは紹介します。この地域にあるトンレ・サップ湖という広大な淡水湖は、乾期にはメコン川へ水が流出、雨期にはメコン川から流入する特徴があります。湖辺に位置する本コミュニティーは、乾期の水生生物保全のために天然池の管理体制の徹底、その観光地化から、コミュニティー内の漁獲安定化、新たな産業の創出を目指して活動しています。2002年からこの地域では珍しく漁業組合を持っていた本コミュニティーですが、2013年にSEAFDECのプロジェクトサイトになって以来、資金も投入され組合の活動が活発化しました。今回の出張ではサイトの見学、活動内容のフォローアップミーティングを行いましたが、より良い生活を目指ざし、日々積極的に組合活動を行っている漁業者の熱意を感じました。

2016_10_SEAFDEC_fig2.png図2.カンボジアのシェムリアップにあるコミュニティーで行われた会議.

<インターンシップ生活>

 日々新たな経験と新たな出逢いがあって、とても楽しいです。プロジェクトでの海外出張だけでなく、土日を利用してタイ各地や、東南アジア各国へ旅行しています。また、乗船、学会の聴講、タイ水産庁の会議等、幅広くイベントに参加させてもらっています。TDへ研修に来ているタイの大学生の英語授業に、講師としても参加しています。

 沢山の方々とも出逢いました。SEAFDECのタイ人・日本人スタッフだけでなく各国関係者、政府機関関係者、漁業者、タイの学生など、様々な国籍・立場の方とお話する機会があります。また、旅行ではなかなか訪ねることのない地域にプロジェクトチームとして訪問するため、現地の方の普段の生活を垣間みることができるのも魅力です。

 私は普段TD近くの寮で生活しているため、タイ人の日常生活も多く知ることが出来ます。食べ物、トイレ、運転、お店、全ての違いが始めは驚きの連続でしたが、自分が今まで当たり前だと思っていたことがそうでないことを学び、各々の良さを感じることができるようになりました。とても温かい方々に囲まれ、日々イベントが盛りだくさんな充実したインターンシップを送っています。

2016_10_SEAFDEC_fig3.png図3.アンコール遺跡群にて.

2016_10_SEAFDEC_fig4.png図4.タイ人学生の英語授業で自己紹介.

2016_10_SEAFDEC_fig5.png図5.寮での懇親会.

<おわりに>

この経験を将来へ繋げるために

 インターンシップ期間中には、カンボジアの他にタイのサコンナコン州とラオスへ、出張がありました。各コミュニティーの性格を把握するだけでなく、どういった変化が漁獲管理、生活の向上に繋がるのか、SEAFDECはそれに対してどう支援できるのか考えさせられた、とても有意義な出張でした。また、日々の生活からレポートまで、全てを英語で行ったため、自身の英語力の拙さや、どこを重点的に強化すべきかを思い知りました。

 帰国後は、成果内容の発表、ひいては修論研究や就職活動が待っています。このインターンシップを通じて得たものを、どう自分の言葉や行動にしていくかが問われるときです。多くの関係者の方々に感謝の意を込め、この経験を後輩たちに伝えられるよう、また将来へ繋げられるよう、しっかりと努力していきたいと思います。

2017/03/17  国際連合食糧農業機関(FAO)

農学生命科学研究科・修士課程1年 Miarisoa Razafindrabe

Hosting organization and duration of the internship:

  The internship was in Mauritius, a small African island located in the Indian Ocean. I was hosted by the Food and Agriculture Organization (FAO). FAO was contributing its expertise in one of the Indian Ocean Commission (IOC)'s project. The project was known as Smart Fish operating in twenty African countries. Countries covered by the project, colored in orange, are illustrated in the Figure 1 below.


2016_1_FAO_fig1.pngFig. 1. Targeted countries of Smart Fish Programme.


The internship:

  I could have a great opportunity to do my internship for two months from May 31st until August 2nd in 2016. This internship was mainly aimed to experience works in international organization. It was also a good opportunity for me to contribute in FAO's works. I was privileged to attend meetings and fieldwork within FAO during my internship. The figure 1 below was a sample of meeting I attended. It was held just when I arrived in Mauritius and it was about "Building capacity and nutrition". Representative staff from Madagascar, my native country, attended that meeting. I could listen and participate during the discussion of the meeting.


2016_1_FAO_fig2.pngFig. 2. Workshop on nutrition action plan with Madagascar team


  One of the advantages of attending those meeting was to meet important people such as the FAO representative who, actually, has his main office in Madagascar. And of course, the rich knowledge about works on the fisheries and aquaculture sector in the Indian Ocean area.

  Since FAO is working in different countries with different language, the availability of documents in different languages was also among their duties. The reason is why I could contribute on the French and English translation of a cartoon book on lobster fishing management.

  My assignment given by the staff leader was about the study on nutrition in Madagascar. It was a new topic for myself but definitely interesting to expand related knowledge on fisheries and aquaculture. For that, a fieldwork was conducted in the Vakinankaratra region, Madagascar. It lasted two weeks from July 4th to 15th in 2016. A local NGO collaborating with FAO in Mauritius was supporting during my stay in the two rural villages (Manadona and Ampandrotrarana villages). The figure below (Fig. 3) shows one of the interviews I conducted with a woman. The man (at the left side of the figure 3) was one of the farmers who guided me during my interviews implementation. The other picture (Fig. 4) was other rural family I often interacted with as well as among interviewees.


2016_1_FAO_fig3.pngFig. 3. Interview with a rural woman.


2016_1_FAO_fig4.pngFig. 4. Rural family among interviewees


Internship life:

  The internship life was done very smoothly with the help of the staff of FAO. All the staff was very friendly and very helpful especially regarding my daily life. A language barrier to communicate with the staff and other people was not experienced in my internship life; another reason it went successfully. Having French as my language was a great advantage to get a good relationship with the FAO staff. It helped a lot on my internship as a whole. In addition to that, my stay in Mauritius was wonderfully spent with the help of both some of the FAO staff and other new friends I got during my internship.

  My "favorite" part of my internship was to experience real field work in the middle of rural areas. I could learn "how to survive successfully" in a completely new place with a different kind of people. Some examples of that are living in a cold region without heater, with no electricity power, no other choice than to walk an uncounted kilometer to do the survey, with no hot water to shower. However, without that adaptation part, I could not integrate in the rural society I have been and got needed data from the people. I can say that it was not easy at all but I was a meaningful and useful experience for now and for my future work/research.


Impression of the internship:

  This internship was tremendously useful for both my future research and my career path. I am actually interested on working in an international organization. The internship helped me a lot on knowing their works, the work environment and the requirements to be able to work in such organization.

  Another advantage of this internship is that I totally got an interesting experience on doing the field work in Madagascar. However, the limited time was personally very challenging though with the support of FAO and the local NGO. Also this internship woke me up to a further interest on working on rural development through aquaculture and also on food security.


<概要>

 私のインターンシップ派遣先は、インド洋に浮かぶアフリカの小さな島国であるモーリシャスにあるThe Food and Agriculture Organization(FAO, 国際連合食糧農業機関)です。FAOの専門的技術はIndian Ocean Commission(IOC インド洋委員会)のプロジェクトに貢献しており、アフリカの20か国で運営されている「スマートフィッシュ」というプロジェクトとして知られています。地図にオレンジ色で示した部分がプロジェクトで網羅する範囲です (Fig. 1)。


<インターンシップの内容>

 私は、2016年5月31日から8月2日まで2か月間のインターンシップで、素晴らしい機会を与えていただくことができました。インターンシップの主な目的は、国際機関で働く機会を持つということですが、私にとってはFAOでの職務に従事するということは大変意義深いことでした。インターンシップ中は、FAOのフィールドワークや会議に特別に参加させていただくことができました。Fig. 2は「能力育成と栄養摂取」と題した会議の一つで、モーリシャスに到着してすぐに開催されたときのものです。

 私の出身国であるマダガスカルからの代表スタッフも参加していて、会議の討論を傍聴することが出来ました。この会議への参加でよかったことは、実際母国マダガスカルの事務所で働いているFAOの重要な役職の方々とお会いする機会を持てたことです。そしてインド洋における水産養殖業に関する自分の知識を高めることができたことも大きな収穫でした。

 FAOでの職務は、様々な国々で、異なった言語で遂行されます。従って、様々な言語での書類作成能力も問われるところです。私はロブスターの漁業管理に関する本をフランス語と英語に翻訳する仕事に従事することができました。

 私がスタッフリーダーの方から与えられた課題は、「マダガスカルにおける栄養問題に関する研究」でした。これは私にとって新たなトピックでしたが、水産養殖業に関する知識を拡大するには非常に興味深い(有益な)ものとなりました。このためのフィールドワークは、7月4日から15日までの2週間、マダガスカルのバキナンカラトラ地域圏に赴いて行われました。モーリシャスのFAOと共同してプロジェクトを行っている地元のNGO団体が、滞在している間、いろいろとお世話をしてくれました。写真は、村々で私がインタビューした方々や、ガイドをしてくださった方です(Figs. 3-4)。


<インターンシップ生活>

 とても気さくで親切なFAOのスタッフのお力添えもあり、日々の生活をスムーズに過ごすことができました。スタッフや他の人たちとコミュニケーションをとるにあたって言語の障壁は、問題になりませんでした。むしろ、私の母国語であるフランス語は、FAOのスタッフと良い関係を築くのに大いに役に立ちました。

 インターンシップで一番よかったことは、田舎の村でのフィールドワークを経験できた事です。いろいろな人々と全く別の場所で「どのようにしたら上手く生活できるのか」を学ぶことが出来ました。これは、今後の自身の仕事と研究に大いに役立つ有意義な経験だったと確信しています。


<おわりに>

 この経験は私の将来の研究とキャリアパスに大いに役立ったともいます。私は国際機関での仕事に興味がありますが、インターンシップに参加することで、国際機関に対する知識や仕事の環境、そして求められる能力などを多く得ることが出来ました。

 また、その他にも、母国マダガスカルにおける大変興味深いフィールドワークの体験をすることが出来たことは貴重な経験です。時間に限りはありましたが、このインターンシップによって、養殖業や食品安全を通して、地元の発展のため働くことに対するより深い興味を持つことができました。


2017/03/17  国際連合工業開発機関(UNIDO)

新領域創成科学研究科・修士課程1年 顧 媚(Mei Gu)

I have done the internship in the Montreal Protocol Division of the Environmental Management Department of the Program Development and Technical Cooperation (PTC/ENV/MPD), in UNIDO Headquarters from November 17th, 2016 - February 3rd, 2017. I gained not only the accumulation of working experience but also personal review.


Brief introduction of UNIDO and its department of environment:

  UNIDO is the abbreviation of the United Nations Industrial Development Organization, which is the specialized agency of the United Nations and is to promote and accelerate inclusive and sustainable industrial development in developing countries and economies in transition. UNIDO consists of the Office of the Director-General (ODG), External Relations and Field Representation (EFR), Programme Development and Technical Cooperation (PTC), Policy and Programme Support (PPS). I worked in the Montreal Protocol Division which is belonged to environment department and also with the divisions of the Stockholm Convention, industrial resource efficiency and emerging compliance regime. What we are doing is to 'Make it Green'.

  The headquarters of UNIDO is in Vienna, together with IAEA, UNODC and other UN organizations, located in Vienna International Center. Vienna is a historical city which makes people living here get crush with it easily. Legend of Princess Sissi, operas, Mozart's concerts, museums and other elements constitutes my image of Vienna.


2016_5_UNIDO_fig1.pngFig. 1. Night view from my office.


Work of internship:

  Daily work can be divided into four parts, which are personal skill development, work on projects, tasks related to public relations and communications, and attending the different meetings as a volunteer or participant.


2016_5_UNIDO_fig2.pngFig. 2. Birthday cake for 50th UNIDO anniversary.


  At the beginning of the internship, it was fortunate for me to get involved in the 50th UNIDO anniversary to volunteer in internationals meetings and preparation for gifts for guests, etc. Being a participant into this great anniversary is also valuable and incredible. After the busiest first and a half weeks, the routine work went to be diversified like online training, public distribution, leaflet edition and so on, which are not allocated to the work of the same type.


2016_5_UNIDO_fig3.pngFig. 3. Ms. Ban Ki-moon's farewell for UN Vienna.


Life of internship and communication with other interns:

  Undoubtedly the two and a half month in UNIDO is one of the most precious and joyful pieces of memory in my life. Following my supervisor Dr. Iino, I got involved in a broad scope of tasks and learn a lot like log frame, SAP, gender equality which I have not attach importance to before. In the meanwhile, we got to know many other interns and staffs from different countries to learn more intercultural specifics and to improve communication skills. Communicating with different people is a process to know others and a good opportunity to review oneself as well.


2016_5_UNIDO_fig4.pngFig. 4. Selfie with my dear colleagues.


Impression of the intern:

  During two and a half months, the life of intern could be separated into three themes: high-paced work, social communication, and travelling. High-paced work gave me an insight how these big events were organized and how to logically plan or think. The diversity of culture is the most beautiful thing in the world and social communication with different people made me express myself more vigorously.

  By this internship in such an international UN organization, members in F team and other colleagues made our efforts as possible as we can to make more people know the existence of UNIDO and help these environmental-friendly industrial projects carry out. "Making it green" is more than a motto. It is our faith and action.


2016_5_UNIDO_fig5.pngFig. 5. Photo with other interns from UTokyo.

<概要>

 私は、2016年11月17日から2017年2月3日まで、UNIDOにおいて「the Montreal Protocol Division of the Environmental Management Department of the Program Development and Technical Cooperation」インターンシップを行い、大変に貴重な経験が得られたと思っています。

 UNIDOはthe United Nations Industrial Development Organization(国際連合工業開発機関)の略称です。国連の専門機関のひとつで、開発途上国や市場経済移行国において包摂的で持続可能な産業開発(Inclusive and Sustainable Industrial Development)を促進し、これらの国々の持続的な経済の発展を支援するのが目的です。私は、環境部門に属するモントリオール議定書部門(Montreal Protocol Division)に配属されました。

 UNIDO本部は、IAEAやUNODCなど他国連機関の入っているウィーン国際センター(VIC)内にあります。ウィーンは、シシー王妃の伝説、オペラやモーツアルトのコンサート、美術館など、歴史的な街です。


<インターンシップの内容>

 毎日の業務は4つに分類できます。1)個人的なスキルを伸ばす、2)プロジェクト、3)公共的な、またはコミュニケーションに関する仕事、そして4)ボランティアまたは一参加者として様々な会議に出席することでした。インターンシップ開始とほぼ同時に、UNIDOの50周年記念式典があり、幸運にもボランティアとして参加することが出来ました。仕事の内容は、お客様へのギフトを用意することなどでした。このような大きなイベントに参加出来たことは、本当に有意義で感動しました。最初の多忙を極めた1週間半の後、ルーチンワークはオンライン訓練と変化し、公共配布物、リーフレットの編集などの仕事となっていきました。


<インターンシップ生活>

 2ヶ月半のUNIDOでの経験は私の人生の中で最も貴重な時間でした。私のスーパーバイザーである飯野福哉さんのおかげで、仕事に対する広い視野を持つことができるようになり、男女共同参画をはじめ今まで重要性に気づかなかったことをたくさん学びました。また様々な国からのインターン生やスタッフと多く知り合うことができ、たくさんの知識を学び、コミュニケーションスキルを向上させることが出来ました。異なった国の人々とコミュニケーションをとりお互いを知ることは、自己を顧みる良い機会となりました。


<おわりに>

 インターンシップを通して、3つのことを学ぶことができたと思っています:仕事のペースの速さ、コミュニケーションの重要性、そして異国での生活とはどのようなものかです。速い仕事のペースを経験することによっては、どうやって大きなイベントが組織され、計画が練られているのかを知ることができました。また文化の多様性は世界で最も素晴らしく、様々な人々とのコミュニケーションによっては自己表現をよりうまくすることができるようになりました。国連組織でのインターンシップに参加し、私が配属されたチームのメンバーと他の同僚の方たちが、より多くの人々にUNIDOの存在を知って貰い、環境に優しい工業プロジェクトの運用に向けて努力していることを知りました。

 「環境保護」は単なるモットーではなく、私たちの義務であり行うべき行動だと思います。


2017/03/15  国連工業開発機関(UNIDO)

農業生命科学研究科・修士課程1年 王 頴

<派遣先と派遣先機関の簡単な紹介>

 私はオーストリア・ウィーンのVIC(Vienna International Center)で約3ヶ月のインターンシップ行っています。ウィーンは国連施設のある4つの都市のひとつです。1979年にオープンしたウィーン・インターナショナル・センター(VIC)には、IAEA(国際原子力機関)、UNIDO(国連工業開発機関)、などの諸機関があります。今回私が実習している派遣先機関であるUNIDOは、国連の専門機関のひとつで、開発途上国や市場経済移行国において包摂的で持続可能な産業開発(Inclusive and Sustainable Industrial Development)を促進し、これらの国々の持続的な経済の発展を支援する機関です。とりわけ私が所属している基準・貿易促進部署(Standards and Trade Facilitation Division)では、食品およびその他の産業分野における安全規制・認証基準等の調査、また途上国政府・民間企業に対する技術指導などを行っています。

2016_7_UNIDO_fig1.png図1.仕事中の様子.


2016_7_UNIDO_fig2.png図2.UNIDO外部.


<インターンシップで取り組んでいる内容>

 私は水準と技術規制に従う対日水産物輸出戦略の構築についての研究を取り組んでいます。研究の概要についてですが、現在日本では膨大な水産物の需要、相対的に低い関税率のため、多くの水産物は発展途上国から輸入している傾向にあります。その一方で、輸入する際に多くの発展途上国は水産物の安全・品質、パッケージング基準などが満たせず、国境拒否など多くの問題や挑戦に直面しています。これらの課題を解決するためには、水準と技術規制に従うことで日本市場に向け、適切な水産物輸出戦略の構築は重要であると思います。このため、本研究は国境拒否率、水産物の輸入会社意識(バイヤー意識)、この二つの面から日本水産物の需要・輸入水産食品監視基準、輸出国における安全対策の適正化などを考察しています。分析結果についは、輸出国における安全対策の適正化の推進、途上国からの輸出戦略構築などに活用していきたいと考えています。


2016_7_UNIDO_fig3.png図3.UN内部のイベント.

<インターンシップ生活>

 私は毎朝オフィスに着き、上司に挨拶してから一日の仕事が始まります。UNIDOでの主な仕事は研究調査を行い、論文を書くことです。またデータの獲得・分析、聞き取り調査などの情報収集のために、UNIDOを経由して政府、企業側とさまざまなやり取りを行っています。自分が担当した研究調査はUNIDOのプロジェクト一部ですので、ほかの部署との関わりがあり、多様な経歴やバックグラウンドを有するスタッフと交流し、プロジェクトの計画作成方法、研究調査などについての色々なアドバイスを頂き、いい勉強になっています。また、定期的に開かれるワークショップでは、周りのスタッフの指導をして頂いたおかげで海外で活躍できる人間としての基礎力を鍛えることが出来ていると実感しています。また、実習機関にはパーティーなどの交流イベントがたくさんあるので、ほかのインターン生と交流することもでき、とても楽しいです。


2016_7_UNIDO_fig4.png図4.UNIDOのスタッフと一緒に.


2016_7_UNIDO_fig5.png図5.国連の旗.

<おわりに>

 海外インターンシップに参加するにあたって、日常から英語を使うことへの慣れや、海外での働き方や過ごし方を実際に体験することができました。また、仕事をする上では、与えられた仕事をただこなすだけではなく、自分から仕事を取りに行くという強い意志と、柔軟な考え方など様々なことを学ぶことができ、成長できたと実感しています。国際機関においてはいろんな国の人と触れ合う機会が多いので自分のコミュニケーション能力も鍛えることができたと感じています。今後、国際機関や外資系企業に就職することを考えていますが、海外インターンシップで得た国際感覚や語学力、コミュニケーション能力などは十分に活かされると思っています。

2017/03/15  国際原子力機関(IAEA)

理学系研究科・修士課程2年 孫 思依

 2016年11月から国際原子力機関(International Atomic Energy Agency -- IAEA)でインターンシップを行っています。IAEAは、原子力の平和的利用の促進、原子力が平和的利用から軍事的利用に転用されることの防止を目的としている機関です。国連の四つの主要事務所の一つであるウィーンの国連都市(VIC)に本部を設置しています。私はその中の核データセクションに所属しています。このセクションは、核や原子力に関するデータの収集、発展、公開を行っているセクションです。このデータは主に核、原子力分野の研究者のためのもので、ホームページやスマートフォン、タブレットのアプリケーション等様々なツールを用いて公開されています。


<インターンシップの内容>

 IAEA Nuclear data baseにある論文を整理することが仕事でした。古い論文のPDFについて単語検索ができるようにしたり、IAEAから出版する論文集の書式や体裁を整える作業に携わってきました。論文の著者と連絡を取り合って修正事項の確認を行ったこともありました。

 また,私は学部生時代にプログラミング経験があったことから、簡単なプログラミング作業を行ったほか、IAEAで行われた会議で使われたパワーポイントをIAEA Nuclear data baseのウェブページへのアップロードする作業や、ウェブページの修正も行いました。そのほか古い資料の電子化作業などにも携わりましたが、スペイン語の入力と表の作成などもあり、大変でした。

 日々の業務以外にも、スーパーバイザーの大塚直彦さんにIAEA内の色々な研究所へ見学に行く機会を設けていただきました。実際に各ラボラトリーの職員の方のお話を伺い、意見交換をすることでとても勉強になりました。


2016_2_IAEA_fig1.png図1.仕事している様子.


<インターンシップ生活>

 インターンシップの環境も良かったです。オフィスの窓からドナウ川が見えます。夜景が綺麗です。また、今いるセックションの雰囲気が大好きです。1日の中でコーヒーブレイクが10時と15時に2回あります。みんなは気軽にそこで会話して各国の文化、飲食、最近面白かったことをシェアできます。また、仕事はもちろん、私事などで悩んでいることをその場で言ったら、みんな助けてくれるし、新しいアデイアももらえます。とてもいい仕組みだと思います。同じセックションにいろんな国の人が混ざっていますが、コーヒーブレイクのおかけで、いろんな国の人の英語もだんだん慣れてきました。職場のみんなさんと一緒にご飯を食べたり、手作りお菓子をいただいたり、車を乗せてもらったり、仲良くやっています。


2016_2_IAEA_fig2.png図2.スタッフの方の定年パーティー.


 周りのインターン生ともすごく仲が良いです。ウェブデザインの勉強をするグループを組んだり、お互い所属しているセックションが異なるため、IAEAのほかの部署がやっていることも紹介してもらったり、意見を交換しています。仕事以外もパーティー、アイススケート、スキー、筋トレ、舞踏会など色々なイベントに参加することでインターン生活はとても充実しています。


2016_2_IAEA_fig3.png

図3.IAEAの60周年舞踏会に参加.


<おわりに>

 最初の頃は自分の英語力に不安を持っていましたが、勇気を出して喋ることが大事だということがわかりました。そして、いろんな国の人と話すことで、視野を広げて、英語力も高まってきました。国連でのインターンシップにより、social workの大事さをあらためて感じました。

 私はずっと国際機関で働こうと思っていました。このインターンシップのきっかけで、IAEAをはじめ、ウィーンにある国際機関仕事の業務内容、仕組み、雰囲気などを実際に体験し、より深く知ることができました。職場の人たちと意見を交換したり、アドバイスをもらったりすることで、自分がやりたいことも絞れてきました。これから、進路を考える時に大変に役に立つと思っています。

2017/03/14  国際連合産業開発機関(UNIDO)

農学生命科学研究科・修士課程1年 五十嵐 慶一

 私はUnited Nation Industrial Development Organization (UNIDO)、日本名は国際連合産業開発機関にて今年の1月からインターンをしています。UNIDOはオーストリアの首都、ウィーンの国連都市に本部を持ち、主な活動は途上国での産業・仕事を創出することにあります。例えば農作物や水産物のバリューチェーンの改善、食品加工に必要な技術支援、現地職員の能力向上などです。他の国連機関と異なり、産業創出という特定の目的を持つ機関であるため、働いている職員は何かしらの専門性を持っているように感じます。昨年創立50周年を迎え、途上国を中心に数多くの実績を持つ機関です。


2016_6_UNIDO_fig1.png図1.オフィスがあるVienna International Centerでの1枚.


<インターンシップの内容>

 UNIDOの中のDepartment of Agri-business Developmentというところでインターンを行っています。UNIDOの業務は大きく分けて3つあり、Project Management / Technical Analysis / Global Forumになります。インターンシップの中では、私が所属する部門が行っているこれらの業務を実際に体験しています。最後のGlobal Forumに関しては特に携わる予定はありませんが、最初の業務としてTechnical Analysisを行いました。これはUNIDOが途上国に導入している技術がどの程度従来のものと比べ、優れているのかの評価でした。ここで対象としていた国がフランス語圏だったため、メールのやり取りなどをフランス語で行ったりしました。

次に行った内容は、UNIDOでのメイン業務となるProject Managementです。これは各国政府から来たプロジェクトの依頼に対する計画書を作ることになります。私は既存の計画書を参考に、自分でUNIDOのスタッフが行っていることを経験しました。実際このようなことを行うのは初めてであったため、Technical Analysisよりは苦戦しましたが、最終的にUNIDOのやり方を理解することができました。

 また並行して行っている内容はある国の政策レビューです。UNIDOの支援内容に対象国の政策に助言をすることが多くあります。現在私はその国の政策を読み込み、その政策にある不備な点などを探す作業を行っています。一国家の政策ですので全部で200ページ以上ある文章を読み込むので中々大変な作業ではありますが、実際のUNIDOの業務に携われているという実感からとてもやりがいのあるものとなっています。

 以上が私個人で行っている内容になります。ほかにも定期的に行われるDivision / Departmentの会議、ワークショップなどに聴講生として参加し、国連全体の会議にも任意で出席することができます。また私は自分の専門である森林分野のプロジェクトに携わっているスタッフの方に直接アポイントを取り、お話しを伺ったりもしました。


2016_6_UNIDO_fig2.png図2.仕事風景.


<インターンシップ生活>

 ウィーンは公共交通機関をはじめ、様々な設備が整っているのでスーパーなど多くの店が日曜日に閉まるということに気を付けていれば、あまり不便を感じることは少ないです。平日はオフィスの食堂で昼食を、夜はインターン生と一緒に食べたり、個人で外に食べに行ったりしています。様々な国からインターン生が来ているので、一緒にご飯に行くと刺激を多く受けます。金曜日の夜にはフットサルクラブに参加し、スポーツを介した交流も行っています。休日はウィーン市内の観光などをしてリフレッシュしています。ウィーンはハプスブルク家が長年支配していた地域でもあるため、王宮などの歴史的建築物、またオペラなどの音楽文化が盛んであるため毎週飽きることなく休日を楽しむことができます。私が滞在している時期がウィーンの真冬にあたるため、氷点下が普通の寒い毎日ですが室内はとても暖かく、雪に覆われたウィーンはとてもきれいです。


2016_6_UNIDO_fig3.png図3.ほかのインターン生との交流.


<おわりに>

 私の残りのインターンの目標は1人でUNIDOが行うプロジェクトのロジック、ドキュメントを作成できることです。現在、UNIDOが行っている業務を一通り経験しているのですが、それを基にUNIDOがどのようにプロジェクトを作り上げていくのかを理解し、実際の職員が行っていることを自分でもできることを目標としています。そのようなレベルに達することで実際にUNIDOがどのように国際社会に貢献しており、ここでは何ができて何ができないのかをより深く理解することができると思っています。

 今回、このインターンシップにおけるもう1つの大きな経験は、様々な日本人スタッフにお話を聞く機会を持てたことです。ウィーンには国際機関のほかに国際機関日本政府代表部もあり、昼食のときなどに異なる立場の国際舞台で活躍しているスタッフにお会いすることができます。考え方や意見は十人十色ですが、1人1人の意識にとても刺激を受け、自分がどのように将来、国際社会に貢献していきたいのか改めて考えさせられることができました。そして帰国後はすぐに就職活動が始まります。ここでの経験や実際の職員のお話うまく吸収していくことで、今自分の中でどこをファーストキャリアとしていくのか見え始めている気がします。そして実際に就職後において、ここで学んだ考え方などはどのような場においても活かしていきたいという強い思いを持っています。

2017/03/13  オーストラリア連邦科学産業研究機関(CSIRO)

農学生命科学研究科・博士課程2年 杉本あおい

 オーストラリアの国立研究機関であるCommonwealth Scientific and Industrial Research Organisation (CSIRO: オーストラリア連邦科学産業研究機関)にて、インターンシップを行っています。テーマは「熱帯域沿岸コミュニティにおける住民主体型沿岸資源管理の成立要因に関する研究」で、これまで博士研究で行った研究をもとにして,さらに理論を発展させるための共同研究です。CSIROはオーストラリアの国立機関とはいえ、実際勤務しているのはオーストラリア国籍の研究者はむしろ少なく、世界各国からの研究者が幅広く集う国際研究機関と言えます。またその手がける研究分野も、環境、医療、IT、宇宙というように非常に幅広くなっています。このCSIROとタスマニア大学が共同で出資・運営するCentre for Marine Socioecology(CMS)という機関は、海洋・沿岸の資源やコミュニティに関わる研究を社会科学と自然科学双方の知見を集め促進することを目的としており、私自身の研究もこのCSIRO,CMSの複数の共同研究者たちとともに進めています。

 まもなくインターンシップも終わりますが、毎日が優秀な共同研究者たちから受ける刺激と,研究所以外でもいろいろな人に会いその人たちから受ける刺激とで非常に楽しく過ごしています。私は社会科学を専門とし,中でも特に社会文化的側面に着目して海洋・沿岸資源のコミュニティーベース(地域社会が主体となった)管理がどのような条件下で成功し得るか,というテーマを研究していますが,このような社会科学的な海洋研究の分野は世界中でまだまだ新しく従事研究者が少ないです。日本でもやはりこの分野の研究者が非常に少ないのですが,そんな中で海洋研究の先進国であるオーストラリアは社会科学分野においても先駆的存在で,世界中から優秀な社会科学者も集まっています。そのように世界中から集まってきた共同研究者たちとは,ミーティングなどで議論をするたびに新たな研究の種や,現在の研究に対する鋭い指摘・アドバイスが得られます。共同研究は非常に順調に進み,優秀な人材に囲まれて研究を進められる今の環境にとても感謝しています。現在は特に、沿岸域のコミュニティにおける人同士のつながりや文化資源といった要素が、自然資源の利用管理にどのように影響を及ぼすか、というテーマに取り組んでいます。さらにこのテーマを今後発展させ、人のつながりや文化といった社会文化的な変数と生態系、魚類、海水流動、気候といった自然環境的な変数がどのように相互に影響しあい、それを管理するために何が必要か、ということを解明する研究につなげていくことを目指しています。

 研究環境はもちろんのこと,生活環境も非常に恵まれており感動しています。オーストラリアでは社会全体に,仕事も大切だが家族や友人との時間も非常に大切であるという意識が徹底されており,私の所属する研究所でも皆夕方4時や5時頃には帰宅し,平日でもその後サイクリングをしたりトレッキングをしたり家族との夕食を楽しみますし,週末はもちろん皆いろいろな活動をして楽しんでいます。このようにメリハリのあるワークライフバランスが達成されている環境で,仕事も生活も充実しているような社会の在り方は非常に素晴らしいと感じています。今回海洋アライアンスのインターンシップでこのような学びができたことを契機に,今後もより研究を発展させ国際的に活躍する研究者になり,それを様々な形で国際社会,そして日本社会に還元していければ,と望んでいます。

2016_11_CSIRO_fig1.png図1.共同研究機関であるCSIROのビルディング.

2016_11_CSIRO_fig2.png図2.共同研究者たちとのミーティングの様子.

2016_11_CSIRO_fig3.png図3.週末のトレッキング.

2016_11_CSIRO_fig4.png図4.週末のクルージングツアー.

2017/03/08  国際原子力機関(IAEA)

新領域創成科学研究科・修士課程1年 長谷川 亮太

 私は2016年11月から2017年2月下旬までオーストリア・ウィーンのVienna International Centre(以下VIC)に本部を置くInternational Atomic Energy Agency(以下IAEA)にてインターンシップに参加しました。IAEAは、原子力の平和的利用を促進するとともに、原子力が平和的利用から軍事的利用に転用されることを防止することを目的としています。原子力に関する基礎科学から応用科学、軍事利用への転用防止のための査察、若手研究者向けの教育や原子力発電の導入を試みる途上国へのアドバイザーとしての役割を果たすなど幅広い分野から原子力に関するアプローチやプロジェクトが行われています。私はその中のNuclear Data Sectionに所属しました。このセクションでは原子力の基礎科学的データの発展や収集、管理を行っていて、集めたデータを研究者向けにインターネット等で公開しています。最近ではスマートフォン向けのアプリの開発を行うなど様々な方法でデータの公開を行っています。


2016_3_IAEA_fig1.png図1.Vienna International Centre 前にて撮影.


2016_3_IAEA_fig2.png図2.IAEA建物内にて.同日にラボ見学に来ていた日本人留学生の方と撮影.


2016_3_IAEA_fig3.png図3.Isotope Hydrology Laboratory の見学.


<インターンシップの内容>

 Nuclear Data Section内で管理している核物理のデータに関する論文のPDFファイルの整理を行いました。PDFが不鮮明なものと新しいものとの差し換えや、古い論文のグラフデータを数値化する作業を行いました。その他にもIAEAから発行される論文の修正や、研究者の方々の会議の要旨をレポートにまとめる為に書き出す作業を行うことができました。

 仕事は基本的に個人で進めることが多いのですが、希望をすればVICで知り合った自分の興味のある仕事をしている他の部署の方の所へ訪問させていただくこともできました。自分の現在の研究に関連したことをしている部署や、業務内容に興味のある部署に訪問しIAEAとしてのその分野へのアプローチの仕方について学んだり意見交換をしたりすることができ、自分の将来の進路を考える上でも非常に有意義な時間を過ごすことができたと思っています。


<インターンシップ生活>

 インターンシップの仕事は基本的に平日の朝9時から夕方6時まででした。お昼はVICの中のカフェテリアで食べることが多かったです。日替わりで世界各地の料理が食べられるので毎日職員や職員の家族の方たちで賑わっていました。私の所属するセクションでは毎日午前午後に1回ずつコーヒーブレイクがあり、セクションの人同士でのコミュニケーションの場となっていました。昼食の時間や、夕方からVIC内で営業するバー、VICのスポーツクラブ等他の機関の方とも交流する機会も多くあり、積極的に交流を求めることで色々な人脈を広げることができました。

 年末年始には、パーティーや舞踏会など多くのイベントも行われました。仕事だけでなく様々な国の人との交流することにより、他の国の文化や学生生活、就職活動などの話を聞くことができ、他国の理解が深まると同時に改めて日本という国を客観的に見ることができる機会になったと感じています。


2016_3_IAEA_fig4.png図4.IAEA Seibersdorf研究所訪問.


2016_3_IAEA_fig5.png図5.インターン生との食事.


<おわりに>

 インターンシップの経験を通して、IAEAの活動内容や加盟国に対する活動の様子をより具体的に知ることができました。インターンシップとして来たことで、時間の使い方は自分次第でした。その中で仕事だけでなく色々な角度から国際機関を知ることができ、色々な人に出会い非常に有意義な時間を過ごせたように思います。

 仕事に関しては自分の専門分野とは異なる仕事でしたが、時には専門知識が求められる場面もありました。母国語でも専門分野でもないという環境における対応力も今回のインターンシップで身に付けられたように思います

 丁度これから就職活動を控えた中でのインターンシップの参加で、実際に国際機関で働いたり、日本人以外の人とも将来についての意見交換をしたりすることでこれからのことを考えるとてもよい機会になりました。海外で長期間暮らす経験は初めてでしたが、海外暮らしも自分は抵抗が無いことも改めて認識することができました。

 インターンシップを通じた多くの経験や自分のやりたいことを考えられたことは、長期間の海外での滞在、そして多くの人との交流の機会のおかげだと思います。支えていただいた周りの方々に感謝し、IAEAでの経験を忘れずこれからの進路選択や将来に活かしていきたいです。

2017/03/08  国際連合工業開発機関(UNIDO)

新領域創成科学研究科・修士課程1年 多田羅 孔明

 "UNIDO"は、United Nations Industrial Development Organization(国際連合工業開発機関)といって、開発途上国の持続可能で環境に配慮した産業発展や、貧困の解消を目指す国連の専門機関で、ウィーンに本部があります。国連というと、ニューヨークの国連本部・ジュネーブ国連事務局は有名ですが、ウィーンとナイロビにも国連事務局があり、UNIDOはウィーン事務局と同じVienna International Centre (VIC)の中にあります。

 UNIDOは技術支援や、キャパシティビルディングを行う機関ですが、技術力に優れた日本にとっては、国際社会への貢献という点でUNIDOの存在の重要性が増しているのではないかと思います。日本にもITPO Tokyo(Investment and Technology Promotion Office, Tokyo)という、UNIDOの事務所があって、優れた日本の企業の技術を掘り起こし、そういった技術を必要としている各国に紹介するパイプ役のようなことが行われています。

 UNIDOのミッションはInclusive and Sustainable Industrial Development (ISID) を世界で達成していくことです。ISIDというのは、国連で2015年に採択された2030アジェンダの持続可能な開発目標(SDGs)の9つ目、「レジリエントなインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る」に即しています。

2016_4_UNIDO_fig1.png図1.ウィーンオフィス.

<インターンシップの内容>

 UNIDOでは、各国の産業・技術支援を必要としている国々で、日々プロジェクトを企画・実施することで、この"ISID"を実現しようとしています。(https://open.unido.org/

 途上国、特にUNIDOの注力しているアジア・アフリカにおいて、工業開発支援というと、まずはインフラや、農林水産業になります。課題は技術レベルが低いこと・技術導入の基盤が整っていないこと、そして技術を導入してもノウハウや技術を熟知している専門家に乏しいことなど多岐にわたります。私はUNIDOのアグリビジネスを扱う部署で、UNIDOでのプロジェクトの進め方を学びつつ、特にカーボベルデという島国の漁業がメインテーマに取り組みました。簡単に説明すると、カーボベルデは島国で、資源に乏しいですが、唯一といっていい資源である海を利用した、漁業が盛んです。一方、国内市場の魚の消費が減っていたり、輸出にしても安全性の問題があり受け入れ拒否されていたりと課題は多くあります。漁業が産業として成熟し、価値を高めていくためには、フードセキュリティの向上や、生産・加工技術の導入、零細漁業者のビジネスノウハウの付与などを進めていく必要があり、インターンシップの中で私はどのようにそれらの課題解決を行っていけばいいのかを検討する業務を行いました。

2016_4_UNIDO_fig2.png図2.部署の人々.

<インターンシップ生活>

 VICにはウィーン事務局、UNIDO、IAEAなど多くの機関が入っているので、インターン生がたくさんいます。UNIDOだけでも数十人いますし、他の国連機関も含めれば、各国から来た100人単位のインターン生が常にいます。魅力はやはり多様なバックグラウンドを持つ彼らと、カフェテリアやバーなどを利用して、お昼時・コーヒーブレイク・金曜日の夜などに色々なことを話しあえること。そんな環境がウィーンの国連事務局には整っています。

 特に私のインターンの時期は、UNIDOの創立50周年記念で、1週間にわたりイベントが催され、毎日色々な人が呼ばれ、UNIDOの重要なテーマに沿った会議が行われていました。そういった会議に参加して見聞を広める機会もあります。こういった大きなイベントの終わりにはパーティーがあり、そこでたくさんのインターン生と交流することができました。

2106_4_UNIDO_fig3.png図3.会議の様子.

2106_4_UNIDO_fig4.png図4.UNIDO50周年記念イベントの一幕.

<おわりに>

 今回の私のインターンシップは約3ヶ月でした。長いようですが、あっという間です。とはいえ、特に今まで海外に暮らしたことのない人にとって、しばらく海外に暮らし、仕事をしてみる、その経験は自分について・自分の生き方について考えさせるには十分なくらいの刺激になります。

 何といっても、コミュニケーションをとっていく難しさを思い知らされました。問題なのは英語だけではありません。世界中から集まってくるインターン生との関わりの中では、今まで自分が当然だと思っていた常識のようなものも、自然だと思っていたコミュニケーション手法もうまく伝わらないことがよくあります。興味の方向性も違えば、ジョークも違います。

 グローバルな舞台でのキャリアを目指す私にとって、今回の経験を通じてグローバルなコミュニケーションの壁はそんなに甘くはないぞ、と身をもって感じられたことは今回のインターンの大きな成果です。UNIDOのインターンシップに参加させていただき本当に良かったと思っています。

2106_4_UNIDO_fig5.png図5.筆者.

2017/02/24  ユネスコ政府間海洋学委員会(UNESCO/IOC)

新領域創成科学研究科・修士課程1年 高橋 祐人

 私は、海洋アライアンスのインターンシップとして、ユネスコ政府間海洋学委員会のオフィスがあるイタリア・ヴェニスで実習を行いました。期間は2016年11月15日〜2017年2月12日の約3カ月でしたが、私のインターンシップの様子についてご紹介します。

<UNESCO IOC Venice Office>

 ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)のIOC(政府間海洋学委員会)は、ユネスコ内の自立的な組織として設立された、国際連合の中では唯一の海洋科学を管轄する組織です。この委員会では、国際協力の推進と研究・サービス・能力開発のプログラムを統合することにより、海洋と沿岸海域の自然と資源について理解を深めかつその知見をマネジメントの改善、持続可能な開発、海洋環境の保護、そして各メンバー国の意思決定の過程に活かすことを目的としています。

 UNESCO Venice Officeには、IOCだけでなく、教育/科学/文化部門のオフィスも設けられています。現在勤務しているスタッフの人数は合計で20人程度、加えてインターン生やトレーニング生数名の小規模なオフィスで、このオフィスではIOCとして勤務しているのは私の上司であるフランチェスカ・サントロ氏一人のみです。基本的に職員1名に対して1部屋が割り振られているので、私は彼女と同じ部屋でインターン業務を行いました。

Takahashi_IOC_fig1.png

図1.国連のロゴの入った旗の前で.

<インターンシップの内容>

 私、北極海の教育についての調査に取り組みました。サントロ氏が主に海洋リテラシー(いわば一般の海洋知識水準)の向上について取り組んでいたことと、自分自身が大学院で北極海を研究対象としていることから、このテーマを選びました。サントロ氏は海洋全体、また特に地中海に関する教育を主に対象として現在活動されていますが、今後はその枠組みに海氷の存在などの特異な性質を持った北極海も取り込んでいくことが期待されます。私はその第一歩として、既存の北極海教育の現状を調査し、北極教育の専門家の方との連携を築くための最初のコンタクトを取り、最終的にはIOCに今後の北極海教育に関する取り組みを提案するといった内容の実習を行いました。

Takahashi_IOC_fig2.png図2.サントロ氏が携わっている海洋リテラシーの向上プロジェクトの一つ "Sea Change".

<インターンシップ生活>

 水の都として有名なベネチアは、観光地というイメージが強いかもしれません。しかしただ観光で訪れるだけでなく、暮らすにもとても素晴らしい場所です。陸とは橋一本でつながっているだけの、石畳を敷き詰められた完全な人工島で、車や電車は島の入り口までしか入れず島内は歩行者天国です。皆歩いて小さな島内を通勤するため、知り合い同士があちこちで遭遇しおしゃべりする和気藹々とした光景が見られます。オフィス内もイタリア文化で、食を大切にし、お昼には最上階にあるキッチンで料理をして同僚とランチを楽しみました。

 私以外には現在5人のインターン生やトレーニング生がいました。昼食と帰り道はいつも一緒で、英語を話す練習の機会にも恵まれました。スタッフの方々もとても仲良くしてくださっています。終業後におしゃべりしたり、クリスマスや年始にはパーティーがあったりと、とても暖かい職場でした。

Takahashi_IOC_fig3.png図3.オフィス最上階のキッチンで行われたクリスマスパーティ.

Takahashi_IOC_fig4.png図4.他のインターンたちとともに.

<おわりに>

 土地も文化もとても良いところです。オフィスの規模は小さいですが、その分むしろ密に仲良くなりたくさん話が聞けてたくさん話ができました。イタリアの文化に深く浸かれたことで、人生を豊かにするヒントをたくさんもらいました。仕事においても、実際に職員が取り組んでいる活動の様子を見ながら同じテーマを別の領域において担当させてもらっているので、ユネスコでの仕事がどんなものかを身をもって体験することができました。

 残された期間は短いですが、調べてきたことをしっかりとまとめて、今後のIOCの活動に役立つものを残したいと思います。

Takahashi_IOC_fig5.png図5.オフィスのあるPalazzo Zorziの入り口にて.

2017/02/23  ユネスコ政府間海洋学委員会(UNESCO/IOC)

新領域創成科学研究科・修士課程1年 須田 紗耶加

須田さんがインターンシップで整理した【IOC加盟国の高等学術機関(学士以上)の情報(アジア・アフリカ・カリブ海地域)】の一覧が,下記のサイトから閲覧できます.

URL: http://www.ioc-cd.org/index.php?option=com_content&view=article&id=25&Itemid=143

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 私はベルギーのオステンドにて国連教育科学文化機関政府間海洋学委員会 (UNESCO IOC)でのインターンシップに参加しました。

 IOCは1960年に海洋科学に特化した国連組織として設立され、加盟国は2016年12月の時点で148カ国です。海洋と沿岸地域の自然と資源に関する知見を収集し、海洋環境のマネジメントや持続可能な開発と保護と加盟国における意思決定に役立てることを目的としています。また海洋に関係する研究、サービス、キャパシティビルディング(能力強化)における国際的な協力と計画の策定も行っており、海洋教育についても数々のプログラムが実施されています。

 

<インターンシップの内容>

 主な業務はIOCのウェブサイト (http://www.ioc-cd.org/) の作成と更新でした。海洋教育の機会 (ワークショップなど)の情報収集を行い、ウェブサイトへ掲載するほか、海洋科学に関連する高等教育を行う加盟国の学術機関の情報を収集して整理し、国ごとにウェブサイトへ掲載しました。とくにIOCが中長期戦略において注力分野としているアフリカ、アジア地域を優先しました。

 IOCが主催するワークショップや短期プログラムに関しては、締切が迫っているものについてIOCのニュースレターとしてメーリングリストで登録者へ告知も行いました。

 また、UNESCOが運営に関わる海洋系の国際会議が開催された際には運営補助として参加をすることができました。

Suda_IOC.pngスタッフとの方々と

Suda_IOC_fig2.png業務の様子

<インターンシップ生活>

 IOCのベルギーオフィスにいるインターン生は私だけだったのですが、職員の方たちと家族ぐるみで仲良くさせて頂くことができました。

 休日は一緒に買い物に出かけたり、ご自宅へ招待頂き一緒に食事を頂いたりしました。

 複数の海洋系の組織と同じ建物内にオフィスがあるため、クリスマスや新年のレセプションでは様々なバックグラウンドを持つ方と交流することもできました。

Suda_IOC_fig3.png職員の方のお宅に招待いただいた時の様子

<おわりに>

 自分の業務やミーティングに参加する中で、情報を取り扱う上で言語の差の影響を感じました。有用性の高い情報であってもそれがメジャーではない言語で記述されていた場合、それを世界中で広く役立てることは難しくなります。

 この課題を踏まえ、母国語が英語以外の国の情報に関しても、英語に翻訳してウェブサイトに掲載する業務もさせていただきました。今回のインターンシップでまとめた情報を世界中の海洋科学に関心を寄せる人が利用し、研究や社会貢献の促進の一助となればと思います。

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