PEMSEA Youth Forum

PEMSEAの概要

 GEF(地球環境ファシリティ)による出捐をもとに、東アジアの沿岸海域の豊富な生物多様性によってもたらされる地域住民をはじめとする人間活動への恩恵の淵源である海洋、沿岸地域の生態系を統合的に保護、管理する地域的枠組として1994年から開始されたプロジェクトであるPEMSEA(Partnerships in Environmental Management for the Seas of East Asia:東アジア海域環境管理パートナーシップ)は、UNDP(国連開発計画)によって実施、UNOPS(国連プロジェクト・サービス機関)によって執行されている。公的部門、民間部門を含め、非政府主体、地域住民など多様なセクターの間のパートナーシップと包括的な政策履行のため、3年に1回国際会議が開催され(2003年:マレーシア・プトラジャヤ、2006年:中国・海口)、今回はPEMSEAの事務局が位置するフィリピン・マニラで、過去最大となる、約1500名の参加を得て開催された。

 海洋環境の維持と開発支援を目的とし、SDS-SEA(東アジア海域の持続可能な開発戦略)を有効に実施するためのメカニズムを構築したPEMSEAでは、毎回の会議で閣僚級会合や研究者、実務家による会議を中心に、さまざまな関連会議が催され、ユースフォーラム(Youth Forum:以下YF)は2006年に引き続いて2回目の開催となった。今回は「Youth, Ocean and Climate Change」をテーマに、身近に起きつつある気候変動が海洋環境と密接に関連していることを意識し、若年層がいかに主体的に行動していくかについて、11の国から異なるバックグラウンドを持つ、60名近くの同年代が6日間に凝縮されたプログラムに参集した。

ICMとは?

 沿岸域には陸域と海域の相互関係により非常に豊かな生態系が形成されている一方、漁業、海運、汚水処理、レジャーなど様々な分野の利用者(ステークホルダー)を抱え、人間活動による損傷を最も強く受けている場所である。ICM(Integrated Coastal Management:統合沿岸管理)は、人間活動を統制し、有機的に統合している陸域と海域の生態系の保全を通して、このような沿岸域の持続的開発を達成する沿岸管理システムを指す。

 ICMの特徴として、[1]自然災害や人間活動に起因した災害の防止、野生生物の生息域管理、水資源管理、食の安全保障、水質汚濁削減といった多方面からの環境管理、[2]その実現のための法律や政策の整備、住民の啓発、人的資源の開発、資金の確保といった多様な手法、[3]それらに伴った沿岸域の複合利用問題の解決、などが挙げられ、PEMSEAはこのような分野横断型の取り組みを実現するためのパートナーシップの形成、そして、デモンストレーション・プロジェクトの実施によるICMフレームワークの構築に重要な役割を果たしている。

SDS-SEAとは?

 SDS-SEA (Sustainable Development Strategy for the Seas of East Asia:東アジア海域の持続可能な開発戦略) は、東アジア海域の抱える脅威、それらの克服に向けた共通のビジョンと具体的な戦略を取りまとめたもので、既存の地域的または国際的行動計画(ICM、アジェンダ21、MDGsなど)、合意、制度の目標を達成するための行動のフレームワークとなる。戦略は、「Sustain」、「Preserve」、「Protect」、「Develop」、「Implement」、「Communicate」 の6項目に分けられ行動計画が具体的に述べられるとともに、中央政府、地方政府、民間部門、市民団体、国際機関といった開発戦略における各アクターの役割が明示されている。SDS-SEAに基づくことで、東アジアの各国政府や国民が共通のビジョンのもと東アジア海域の環境保全と持続的な開発に取り組むことができる。