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【人類が経験した最大の気候変動,10万年周期の氷期-間氷期サイクルのメカニズムを解明】
2013/08/26

阿部 彩子(東京大学大気海洋研究所)

齋藤 冬樹(海洋研究開発機構)

川村 賢二(情報・システム研究機構 国立極地研究所)


東京大学大気海洋研究所気候システム系の阿部彩子准教授らは,10万年周期の氷期-間氷期サイクルのメカニズムを,本格的な気候・氷床モデリングにより解き明かしました.この研究成果は,地球温暖化に伴う氷床の長期予測や,より過去にさかのぼった気候変動史の解明にとっても重要なステップとなります.


詳しくはこちら:

http://www.aori.u-tokyo.ac.jp/research/news/2013/20130808.html


research_0808_s.jpg

2万年前の氷床分布.


<概要>

 地球の極域の気候と南極大陸やグリーンランドに見られる大陸氷河(氷床)の変化は,現在進行している地球温暖化の重要な指標であるとともに,海水準(静止している海面)を直接変動させる要因にもなっている.とりわけ,人類が進化してきたここ100万年間は,氷期と間氷期が交互に約10万年の周期で交代し,氷床量の変動は,海水準変動(海面の高低変化)に換算して130mにも及ぶものであった.しかし,このような気候と氷床の大変動の周期と振幅をもたらすメ カニズムは謎であった.


 阿部彩子准教授は,海洋研究開発機構の齋藤冬樹研究員,国立極地研究所の川村賢二准教授,コロンビア大学のモーリーン=レイモ教授,スイス連邦工科大学ETHのハインツ=ブラッター教授らと共同して,最新の氷床―気候モデルを用いたシミュレーションの結果,氷期-間氷期が10万年周期で交代する大きな気候変動は,日射変化に対して気候システムが応答し,大気-氷床-地殻の相互作用によりもたらされたものであると突き止めた.とりわけ,北米大陸の形状や気候の地理的分布が決め手となっており,北米の氷床には小さな日射量変化に対して大きく変化しやすい条件が整っていたのだ.また,大気中の二酸化炭素(CO2)は,氷期-間氷期サイクルに伴って変動し,その振幅を増幅させる働きがあるが,CO2が主体的に10万年周期を生み出しているわけではないことも分かった.


 この研究成果は,「Nature誌」(8月8日付け)に掲載されました.また,同じ号のNews and Viewsと,Science誌(8月9日付け)にも紹介されました.

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