東京大学 海洋アライアンス東京大学 海洋アライアンス

本プロジェクトは、総合海洋基盤(日本財団)プログラムの研究プロジェクトの一つとして、世界で活躍する海事人材の育成システムを研究しています。

プロジェクトの概要

本プロジェクトの目的は、海洋に関する高度な専門性と国際的ネットワークをもち、世界で活躍する人材育成に向けた教育システムを確立することです。そのために、①長期にわたる海外インターンシップ制度の導入とカリキュラムの確立、②海洋学際教育プログラムへの国際化対応科目の導入を目指して2014年度から活動を行っています。

プロジェクトでは、海洋学際教育プログラムを履修する本学の大学院生を国際機関や海外研究機関に少数精鋭で派遣してインターンシップを実施します。期間は2〜6カ月で、学生の専門性に基づき派遣先機関での実際の業務への参加、または共同研究を推進するものになっています。具体的には、「国際機関との連携と学生派遣」「人的ネットワークの構築」、そして「国際化対応科目の導入」の3つを中心に活動を行っています。

国際機関との連携と学生派遣

海洋アライアンスとして9つの国際機関・研究機関と直接連携を取り、学生を派遣しています。インターンシップの実施にあたっては、テーマや内容を事前に派遣先機関と協議した上で学生の募集・選抜が行われます。一方で、学生が自ら連携を取って受入了承が得られた機関でのインターンシップに対して旅費や滞在費の補助をする「一般枠」も設けています。

下の図は2014〜2016年度に学生派遣を行った機関を地図で示しています。また表は年度別の各機関への派遣学生数です。3年間での派遣は13機関25名にのぼります。

青字:海洋アライアンスが連携している国際機関.
赤字:一般枠による派遣先機関.
表1.派遣実績(2014~2016年度)
派遣先機関名派遣学生数/年度
201420152016
国際連合食糧農業機関 (FAO)211
国際水路機関事務局 (IHB)1--
太平洋津波警報センター (PTWC)11-
国際津波情報センター (ITIC)11-
国際海事機関 (IMO)-2-
東南アジア漁業開発センター (SEAFDEC)-11
国際連合工業開発機関 (UNIDO)--4
国際原子力機関 (IAEA)--2
ユネスコ政府間海洋学委員会 (UNESCO/IOC)--2
国際協力機構 (JICA)1--
アメリカ海洋大気庁/太平洋海洋環境研究所 (NOAA/PMEL)-1-
アメリカ海洋大気庁/南西水産科学センター (NOAA/SWFSC)--1
オーストラリア連邦科学産業研究機構 (CSIRO)--1
合計6712

教育効果

国際機関での貴重な実務経験、そして受入機関のスタッフや他のインターンシップ生との交流によって、学生の将来に向けたキャリアパスと人脈の形成に役立つことが教育効果として考えられます。

1.
国際機関での実務経験
実際の業務に携わり、スタッフと議論を重ねる中で、修士論文や博士論文の推進に有益なだけでなく、自身の専門分野に係わる国際的な課題と取り組みの現状を学ぶことができます。
写真1.インターンシップの様子
2.
人脈形成
スタッフや他国からのインターンシップ学生と交流することで、将来の国際社会での活躍に向けて重要な人脈の形成が期待できます。
写真2.派遣先でのスタッフやインターンシップ生との交流

実際のインターンシップの様子は、で学生から紹介しています。

人的ネットワークの構築

インターンシップの成果を対外発信して社会とのつながりを深める活動のほか、国際機関とのさらなる連携強化を目指して、受入機関の研究者・職員などを招いた講演会等を開催しています。

1.
社会との連携
毎年7月に海洋アライアンスが主催するシンポジウム「東京大学の海研究」において、インターンシップに参加した学生の代表が、その成果について報告を行っています。また共同研究を推進したインターンシップの場合には、成果を学術論文としてまとめています。
2.
学内講演会
受入機関を中心とした研究者・職員による招待講演とインターンシップ参加学生による成果報告を学内講演会として本学学生に対して行っています。この講演会では、国際機関との連携強化とともに、派遣された学生同士の横のつながり強化と世界に目を向ける学生を増やすことを目的としています。
写真3.東京大学で開催されたシンポジウムや学内講演会の様子

国際化対応科目の導入

海洋学際教育プログラムでは、「海洋法・海洋政策インターンシップ実習」が行われています。この科目では、国土交通省(気象庁・海上保安庁を含む)、国立研究開発法人 水産教育・研究機構(旧水産総合研究センター)、公益財団法人 環日本海環境協力センター(NPEC)を中心に政策立案を行う省庁や関係機関でのインターンシップが実施されています。毎年15〜20名程度の学生が参加していますが、キャリアパス形成に重要な役割を担っていることが示されています(山本光夫・木村伸吾, 日本海洋政策学会誌 (2016))。
この国内インターンシップと本プロジェクトは、キャリアパス形成の点で共通した目的であることから、海洋学際教育プログラムの中では一体的な運用を行っています。海外インターンシップに参加した学生は「海洋法・海洋政策インターンシップ」の単位を取得できる仕組みになっています。

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