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お台場実証実験

カテゴリ うみあるきとは?-システム開発の目的と方針
掲載日 2010.10.12
公共政策大学院 松浦正浩

 2010年1月23日(土)の午後、東京都お台場地区にて、「うみあるき」の実証実験を行った。当日は、一般公募の14名にご参加いただき、うち4名は子供(就学児3名、未就学児1名)である。このような議論に必ず子供を入れなければならないということではないが、子供とペアでの参加を募集することで、海の利害関係者ではなく一般市民としての参加を促すことができるのではないかという試みである。

 当日は、日本海事科学振興財団のご協力を得て「船の科学館」展望台に集合し、携帯電話(貸与)の使用方法などについて指導の後、お台場の3エリア(船の科学館周辺、東京ビッグサイト周辺、お台場海浜公園周辺)を散策しながら、魅力的な海浜景観や問題だと思われる状況について、写真撮影のうえ、今回開発するシステムのサーバへと送信していただいた(図1)。

図4:海辺で写真撮影する親子(実証実験より)

図1 海辺で写真撮影する親子(実証実験より)

 散策の後、船の科学館「羊蹄丸」ラウンジに移動し、まちあるき専門家によるファシリテーションのもと、ワークショップを開催した(図2)。お台場の海辺には、生物、景観、文化、賑わいなど、多くの人々にまだ十分に認識されていない多様な資源が存在することが、子供を含めたワークショップでの議論で明らかになっている。実証実験によって得られた主な知見を整理すると以下の7つが挙げられる。

  • 一般市民の意見を得るだけでなく、海辺を注意深く散策するという体験を通じた、参加者の学習効果も大きい
  • 写真のテーマは自由であるほうが参加者は楽しいが、設定されたほうが有益な成果となりそう
  • 参加者の写真を航空写真上にリアルタイムでオーバーレイすること自体に、参加型アートとしての可能性を秘めている
  • 1年程度の時間をかけて自由に投稿できるようにしてもよいだろう
  • iPhoneなどのスマートフォンと比較すると携帯電話の操作性が低い
  • twitter1)との連携を図れるようになるとよい
  • 大量の投稿写真をGoogle Earth2)内でカテゴライズして表現する方法について今後検討が必要
図2 うみあるきワークショップの模様

図2 うみあるきワークショップの模様

 以下は、実証実験にお手伝いいただいた学生のコメントである。

  • 同じ場所を歩いても、人によって写すものや写し方は様々。 写真と共に、撮った人のコメントも表示される地図は、多くの人の主観的な部分を 感じることが出来て、人が感じるその街の新しい魅力や問題を発見するのにとても効果的だと感じました。
  • それぞれの親子や学生との間でもっとコミュニケーションを取り合えば、また違った雰囲気の写真が撮れるかもしれませんし、 新たな出会いの場としてこのようなワークショップの価値となるのではないかと思いました。
  • 同じ空間を様々な人が集まって撮りまくる事は同じような写真ばかりになると思いましたが、新たな発見が多々あったと思います。参加者も「こんな場所の近くにいたんだ!」という発見や、「私も見た!」というような意見を交わす場に最適だと思いました。 つまりみんながいる環境で自分の投稿が見れる事は今回で一番の目玉だったように感じます。様々な意見がリアルタイム飛び交う現場はwebの中でのコメントのやりとりでは擬似的に体験できてもその場の盛り上がりの感覚は感じにくいものになると思います。
  • 子供たちは多分そんなに食いつかないだろうと思っていたのですが、実際に自分たちが撮った写真が、こうして地図上に表示されると、みんなスクリーンを見て夢中になっているようでした。 中には、積極的に自分が撮った写真を紹介する子供もいて、大人だけの会話になるわけではなく、場が大変盛り上がりました。このような、ネットワークのワークショップの中で、大人と子供が一緒になって意見を言い合える場というのは、簡単に作れるものではありません。しかし、今回、そういう場を作れたというのは、とても意義があることではないかと思います。

(注1)twitterとは「http://twitter.com/」参照

(注1)Google Earthとは「http://earth.google.com/」参照

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