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【報告】シンポジウム「我が国における海洋教育及び研究のあり方」(2011/3/4開催)
2011/03/31

シンポジウム「我が国における海洋教育及び研究のあり方」の報告


2011年3月4日(金),日本財団ビル(港区赤坂)にて,海洋アライアンスと日本財団の共同シンポジウム「我が国における海洋教育及び研究のあり方」が海洋アライアンスと日本財団の共同で開催された.大学等教育機関,官公庁,企業等,幅広い分野からの参加があり,総参加者数は157名であった.シンポジウムは4部構成で,日英同時通訳付きで行われた.


 第1部「東京大学における海洋研究の横串型取り組み」ではまず浦 環 機構長より,2008年から開始された総合海洋基盤(日本財団)プログラムの概要説明,及びシンポジウムの趣旨説明があった.続いて,海洋政策学ユニット長(城山英明教授),学際海洋学ユニット長(福代康夫教授)より成果報告及びユニット活動の将来展望について紹介があった.最後に分野横断的研究課題「イニシアチブ」の成果として,許淑娟特任講師より「海洋科学調査をめぐる法的諸問題」について発表があった.


2011総括シンポ_講演の様子.jpg
講演風景


 第2部「東京大学の大学院における海洋教育の学際的連携」では,東京大学横断型教育プログラムの1つである「海洋学際教育プログラム」について,木村伸吾教授から横型教育の重要性と成果が概説された.続いて履修生により「海洋問題演習」,「海洋法・海洋政策インターンシップ」について,本教育プログラムに参加することの意義や感想,また,同じく履修生から生物多様性条約締約国会議第10回(COP10)で開催したワークショップやポスター発表を通してえられた体験と意義が語られた.この様な教育活動を通した学生間の異分野交流によって,幅広い専門知識のみならず,自分が思いもよらなかった視点・考え方に触れた経験が,これからのキャリアにおいて貴重な財産となることが期待される.


 第3部では,海外における海洋に関する学際的な教育・研究について,3名の外国人講演者から紹介があった.まず,中国海洋大学の李巍然教授より,同大学における学部・大学院教育についての紹介があった.海洋関連知識を問うコンテストを開催し,優秀者には北極・南極観測への参加資格が与えられるなどのユニークな取り組みが印象的であった.また山東半島において計画されている海洋経済特区の構築等に貢献できる学際的な人材育成を目指していることが紹介された.

 続いてRobert Thompson博士(米国・ロードアイランド大学)は,海洋研究・教育が学際的であることの重要性を,分野別の環境管理から生態系ベースの管理への移行を軸に挙げながら語っていただいた.特に近年急速に利用形態が変化しつつある沿岸環境のspatial planning について紹介された.

 また,Porter Hoagland博士(ウッズホール海洋研究所)からは,毎年100名以上の学生が履修するマサチューセッツ工科大学(MIT)とのジョイントプログラム,ウッズホール海洋研究所海洋政策センターにおける有毒藻類ブルームについての分野横断的な研究の取り組みが等紹介された.


 「横串型の海洋研究の展開と新たな人材の育成」と題した第4部では,海洋アライアンスの新たな展開について,浦辺徹郎 副機構長より紹介があった.ここで総合海洋基盤(日本財団)プログラムのこれからの計画について,1)総合研究集団によるシンクタンク機能の強化,2)大学院教育の充実と社会需要に合わせた人材育成,そして3)教育・研究国際ネットワークの強化と,国際組織への拡大等の目標が示された.

 最後に行われたパネルディスカッションでは,藤井輝夫教授司会の元,官公庁(文部科学省,外務省,国土交通省),国際機関(FAO),民間企業(日立製作所,読売新聞東京本社)の関係者7名のパネリストによる討論が行われた.英語によるコミュニケーション能力は重要だが,まずは自らの専門を高めること,そして広い視野を獲得すること,そうした資質を持った人材を社会に送り出してもらいたいというのが,大学へのパネリスト共通のコメントであった.


2011総括シンポ_パネル討論.jpg

パネル討論の様子


プログラム

開会のあいさつ

浦 環(生産技術研究所 教授,海洋アライアンス機構長)

第1部:東京大学における海洋研究の横串型取り組み(13:00~13:45)

司会:木暮 一啓(東京大学 大気海洋研究所 教授)

1.総合海洋基盤(日本財団)プログラムの展開:

浦 環(生産技術研究所 教授)

2.海洋政策学の成果と展望:

城山英明(公共政策大学院 教授)

3.学際海洋学の成果と展望:

福代康夫(アジア生物資源環境研究センター 教授)

4.横断的研究課題「イニシアチブ」の成果:

許 淑娟(公共政策大学院 特任講師)


第2部: 東京大学の大学院における海洋教育の学際的連携(13:45~14:30)

司会:八木 信行(東京大学大学院 農学生命科学研究科 特任准教授)

5.大学院修士課程における横型 履修認定プログラム:

木村伸吾(新領域創成科学研究科 教授)

6.海洋問題演習・インターン シップへの参加:

持留宗一郎(公共政策大学院 修士2年)

7.COP10など国際集会への参加:

三上翔太(農学生命科学研究科 修士2年)


14:30~14:45  休憩


第3部: 海外における学際的な海洋研究および海洋教育(14:45~16:45)

司会:福島 朋彦(東京大学 海洋アライアンス 特任准教授)

8.中国における取り組み:

李巍然(Li Weiran:中国海洋大学副学長,

海洋地質学教授)

  コメント: 浦辺徹郎(理学系研究科 教授)

9.米国における取り組み(1):

Robert Thompson(University of Rhode Island, 

Dept. of Marine Affairs, Chair)

  コメント: 松浦正浩(公共政策大学院 特任准教授)

10.米国における取り組み(2):

Porter Hoagland(Woods Hole Oceanographic Institution, 

Senior Research Specialist, Marine Policy Center)

  コメント: 八木信行


16:45~17:00 休憩


第4部: 横串型の海洋研究の展開と新たな人材の育成(17:00~18:30)

司会:藤井 輝夫(生産技術研究所 教授)

11.東京大学海洋アライアンスの新たな展開

浦辺徹郎

12.パネル討論「大学に期待するもの」

 -パネリスト-(五十音順,敬称略)

 岩田 眞二郎 (株式会社 日立製作所 執行役常務)

 海野 光行  (日本財団海洋グループ長)

 小池 勲夫  (文部科学省 科学技術・学術審議会海洋開発分科会会長)

 近藤 和行  (株式会社 読売新聞東京本社 編集委員)

 野村 一郎  (国連食糧農業機関(FAO)前水産局長、東京海洋大学顧問)

 三上 正裕  (外務省 国際法局国際法課長)

 米田 浩   (国土交通省 総合政策局海洋政策課長)


閉会のあいさつ

藤井輝夫

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