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【報告】海洋アライアンス・日本財団共同シンポジウム第1回開催報告(2009/6/12)
2009/07/17

海洋アライアンス・日本財団共同シンポジウム第1回

【食卓に迫る危機―次世代に海を引き継ぐために―】

開催報告


6月12日(金),海洋アライアンスと日本財団は市民を対象とした,海洋アライアンス・日本財団共同シンポジウム第1回「食卓に迫る危機―次世代に海を引き継ぐために―」を開催した.本シンポジウムは3回シリーズの第1回目となる.問題提起,現状分析,総合討論の3部構成で,市民代表と研究者たちが同じテーブルで意見交換を行うという企画である.「30年後の食卓」をテーマに,資源の持続性,食と海の環境,流通・消費,食の質といった側面から「食卓に迫る危機」について活発な議論が行われた.

 開演に先立ち,日本財団・笹川陽平会長と東京大学・濱田純一総長よりあいさつがあった.笹川会長(写真左)は「この共同シンポジウムを実りあるものにしていきたい」と意欲を表した.続く濱田総長(写真右)は「海洋問題を解決するには関連分野研究者間や社会との連携,国際的視点が必要」と述べ,海洋アライアンスの活動なども紹介した.

総長と会長.jpg

 問題提起では潜水士,消費者,外国人の立場からの講演があった.潜水士の渋谷正信氏は,自身が撮影した海中写真などを提示しながら,海に潜った際に感じた海の変化や「海の砂漠化(磯焼け)」の現状を訴えた.また消費生活アドバイザー・環境カウンセラーの長谷川朝惠氏は,水産食品に関して消費者が感じている不安や疑問を発表した.さらに海洋研究所特任研究員のNAM-IL,WON博士は日本の食文化に言及しながら,水産資源の管理において,輸入大国である日本の役割が注目されると述べた.

 続く現状分析では,東京大学の八木信行特任准教授,福代康夫教授,木村伸吾教授がそれぞれの立場から海の現状を分析した.八木特任准教授は,漁業者の減少や水産資源の減少などから,水産物を食卓に供給する能力が今後も低下していく可能性を示唆し,このような海の限界的な状況を把握しておく必要があると述べた.続いて福代教授は,赤潮や海の酸性化,外来生物の繁殖といった海洋環境の変化が生態系に与える影響を述べ,それが社会生活にまで影響を与える事態が生じていると強調した.また木村教授はウナギとマグロについて講演し,それらの持続的活用に対して,日本は大量消費国としての国際的責務を忘れがちであるということを指摘した.

 そして総合討論では前述の6人により,日本の漁業,水産物の価格,養殖と環境変化による影響などが議論され,それぞれの立場から活発な意見交換が行われた.

20090612総合討論.jpg

写真は総合討論の様子.


 参加者の中からは「今回多くの情報を聞けて刺激になった」「日本や世界の水産現場の現状がわかった」「現場での実話は大変参考になった」といった感想があがった.このように豊かな水産物資源を守るためには多くの課題があるということが,参加者の共通認識となったことは大変意義深い.

 第2回共同シンポジウムは11月に開催する予定です.日程等が決まり次第,海洋アライアンスホームページに掲載いたします.ご覧ください.



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